LステップはLINE公式アカウントと連携させることにより、精度の高いマーケティング施策を実行できるツールです。
LINE公式アカウントにマーケティングオートメーションツールを導入するものと考えると、イメージしやすいかもしれません。
ステップ配信や詳細なセグメント設定ができるため、顧客の興味関心に合わせた情報発信ができます。
特にリピーターに効きやすいツールです。
飲食店がLステップを使って集客を最大化するには、何をするべきなのでしょうか。
詳しく解説します。
目次
新型コロナウイルス感染拡大後のファミリーレストランの利用に関する意識調査において、衝撃のデータが得られました。
リサーチ会社MyVoiceが実施したもので、「ファミリーレストランをどれくらいの頻度で利用していますか?」という質問への回答が、コロナ前・コロナ後で得られています。
「ほとんど利用しない」との回答はコロナ前と比較して12.9ポイント上昇し、48.8%を占めるようになりました。
2018年11月(コロナ前) | 2021年12月(コロナ後) | |
週2回以上 | 1.0% | 0.7% |
週1回程度 | 3.2% | 3.0% |
月2~3回 | 9.0% | 6.1% |
月1回程度 | 17.3% | 12.6% |
数カ月に1回程度 | 33.5% | 28.8% |
ほとんど利用しない | 35.9% | 48.8% |
Myvoiceの調査結果を元にした表からも、飲食店の集客難易度が劇的に上がっているとわかります。
「ファミリーレストランに行くと決める時、どのように決めることが多いですか?」との質問に対する回答で、「クーポンやキャンペーン・プレゼントなどがある」は3位の23.0%でした。
飲食店は顧客が足を運ぶ理由を作らなければなりません。
Lステップ(LINE公式アカウント)を使ったクーポンやメッセージ配信の重要性は増しています。
飲食店の集客において、「新規客かリピーターのどちらを優先するべきか」というのは永遠のテーマでした。
コロナ禍でリピーターの重要度が上がったことは間違いありません。
新規客の集客難易度が上がっているためです。
今の時代に合わせたツールこそがLINEなのです。
LINE公式アカウントはメッセージやクーポン配信、スタンプカードの発行などができます。
LステップはLINE公式アカウントと連携し、機能拡張を行うツールです。
主に以下のような機能があります。
集客の要となるのが、「ステップ配信」「顧客管理」「流入経路分析」です。
LINE公式アカウントでも、簡易的なステップ配信は可能でした。
Lステップは細かなシナリオを設定できるうえ、顧客情報と紐づけて設定することができます。
すなわち、来店状況や属性データに合致したメッセージの配信ができます。
「顧客管理」は顧客の属性や行動データを蓄積しておくもの。
「商品の購入」「コンテンツの読了」「アンケートの回答」などのデータを顧客リストに紐づけることができます。
顧客が何に関心を持っているのかを把握できるため、嗜好性に沿ったクーポンやメッセージの配信ができるのです。
来店率を高め、ブロック率を低減することが可能です。
「流入経路分析」でYouTubeやTwitterなど、顧客がどの経路で友だち登録へ至ったのかを補足できます。
例えば、YouTube経由で登録した人には「動画視聴者限定クーポン配信中!」といったキャンペーンを組むことができます。
上手く活用できれば、SNSで認知度を上げ、LINE公式アカウントに誘導してリピーターへの育成も不可能ではありません。
Lステップの活用範囲は広く、店舗の経営戦略の中に組み込むことができます。
できることを紹介していきます。
LINE公式アカウントは1対1のコミュニケーションを得意としており、リピーターに効きやすいという特性を持っています。
食べログやぐるなび、ホットペッパーなどのグルメメディアは、高額な費用と引き換えに大量の新規客を呼び寄せることができます。
コロナ禍を迎える前は、メディアの集客効果は比較的分かりやすいものでした。
費用対効果も見えやすかったのは間違いありません。
その一方で、Lステップ(LINE公式アカウント)の運用による集客効果は見えづらいと言われています。
数%の客数や客単価の向上を積み上げるイメージです。
そのため、多くの飲食店が運用を諦めてしまいがちでした。
しかし、消費者の飲食店への接触機会が失われた今、少しでもリピーターの利用頻度を高めることが最重要です。
リピーターにリーチできるツールは、アプリやメールマガジンなどがあります。
アプリは数百万円単位の開発費がかかり、簡単に手を出せるものではありません。
メールマガジンは消費者がメールから遠ざかったことにより、かつてのような集客力は持ちません。
手軽に始められ、ユーザー数が多いLINEがリピーター対策において優位に立っています。
属性や顧客の行動に合わせてメッセージの配信ができるLステップは、飲食店向けのマーケティングオートメーションツールとしては最強と言えるでしょう。
LINE公式アカウントは、LINEマーケットプレイスにてテイクアウトやデリバリーの予約を行えるアドオン機能を追加することができます。
提供しているサービスにもよりますが、月額3,000円程度で利用できます。
LINEマーケットプレイスの詳しい説明はこちらをご覧ください。
LINE公式アカウントには「LINEで予約」という機能がついています。
予約と予約管理ができるもので、「カレンダー予約」「イベント予約」の2種類があります。
カレンダー予約は日時指定を行うもので、コースの選択や予約時間を15分単位で選ぶことが可能です。
予約状況を確認する管理機能もついています。
イベント予約はキャンペーンを軸として予約を獲得するものです。
予約した顧客に対して、アンケートの送付やリマインド配信の設定などができます。
飲食店の頭の痛い問題に、グルメメディアのWeb予約課金があります。
1件当たりの金額は数百円と低いものの、予約数が多くなれば収益を圧迫するのは間違いありません。
Web予約をLINEへと移行することにより、コストカットに繋がります。
LINE公式アカウントの運用は、顧客対応などで工数がかかるというデメリットがありました。
しかし、Lステップを活用することにより、メッセージ配信や顧客からの質問への返答を自動化し、業務負荷の軽減が図れます。
LINE公式アカウントの運用を開始したものの、友だちが思うように集まらないという店舗も少なくありません。
LINEは広告配信が可能です。
友だちの獲得や認知の拡大を図れます。
具体的に飲食店でどのような活用ができるでしょうか。
一例を紹介します。
新規客を2度目の来店に結びつけることができれば、リピーターを獲得したと言っても過言ではありません。
ヒトは必要のない情報を捨て続けています。
初回に来店してから、いかにもう一度店舗のことを思い出してもらうかがポイントです。
来店客をLINEの友だちにするには、メニューや卓上のポップでの告知が王道パターン。
友だち登録で「初回の会計から〇割引き」や「デザート1品無料」といったクーポンを付与し、友だちになるインセンティブを作ります。
2回目の来店を促進するために、「次回来店時〇割引き」といったクーポンを発行するのがスタンダードな方法です。
ポイントはこのクーポンに有効期限をつけることです。
常連客の場合、このクーポンを数日から数週間で使用します。
Lステップはクーポンを利用していない期間でセグメントが行えるため、初回来店からの空白期間に沿ったメッセージを配信することができます。
「あと3日でクーポンがご利用できなくなります」
「本日限りのクーポンが残っています」
このように注意喚起ができるのです。
仮に初回発行クーポンの有効期限が切れてしまった場合も、初来店から1か月経過した顧客、3カ月経過した顧客など、行動パターンに合わせたクーポン、メッセージの配信が可能です。
メッセージやクーポンを配信する際は、一斉送信とセグメント配信を区別して使い分けることが重要です。
ブロック率に大きく関わるためです。
LINE公式アカウントで成果を出すポイントは2つあります。
1つは予約率やクーポンの利用率などのコンバージョン率を上げること。
もう1つはブロック率を低減することです。
例えば、来店客の男女比率が5:5のカフェを経営しているとします。
バレンタイン企画として、男性客とペアで来店した女性客に特製チョコレートをプレゼントするキャンペーンを実施したとしましょう。
その告知をLINEで男女関係なく行うことは悪手です。
女性に対してのセグメント配信を行わなければなりません。
しかし、有名なパティシエが監修する特製チョコレートケーキが新商品として誕生し、できるだけ多くの人に知ってもらうことを配信の目的としているのであれば、一斉送信が効果的です。
Lステップはセグメント精度が高められます。
例えば、
などです。
何らかのアンケートによって「チョコレートが好き」という情報を得られていれば、特製チョコレートケーキの情報をチョコレート好きにだけ配信することができ、そのセグメント限定でクーポンを発行することができます。
「チョコレートが好きな人限定!特別クーポン」というような打ち出しをしておけば、セグメント配信している情報が顧客の間で広く行き渡ったとしても、不公平な印象は受けません。
むしろ、チョコレート好きの顧客は自分を特別視していると感じ、店舗の選好度を上げることに繋がります。
1対1のマーケティングは、アンケートや購買行動などの情報を細かく仕入れてセグメントに活かし、顧客に対して特別感を演出することが重要です。
来店に結びつく道筋を事前に設計し、戦略を立てておくと良いでしょう。
ポイントカードを導入している店舗は多くありますが、データを活用している店舗は限られます。
LINEのポイントカードは紙で発行しているものが電子化できます。
発行済みのカードの枚数や有効期限切れになったポイント数、特典クーポンの利用率などのデータが確認できるのです。
有効期限やランクアップ設定などを使い、思い通りのスタンプカードを簡単に作ることができます。
カードの電子化で紛失を防げるうえ、印刷コストの低減が図れます。データをもとに利用率の向上も狙えます。
Lステップは導入費用がかかりません。
基本料金は以下の通りです。
スタートプラン | スタンダードプラン | プロプラン | |
導入費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
スポットコンサル | 1回無料 | 1回無料 | 1回無料 |
リッチ画像 | 無料プレゼント | 無料プレゼント | 無料プレゼント |
月額 | 5,000円 | 21,780円 | 32,780円 |
月間配信数 | ~1,000通 | ~15,000通 | ~45,000通 |
※45,001通以上の配信をする場合は、大容量プランが用意されています。
プラン別で使える機能一覧は以下の通りです。
スタートプラン | スタンダードプラン | プロプラン | |
チャット | 〇 | 〇 | 〇 |
個別トーク | 〇 | 〇 | 〇 |
シナリオ配信 | 〇 | 〇 | 〇 |
一斉配信 | 〇 | 〇 | 〇 |
キーワード応答 | 〇 | 〇 | 〇 |
テンプレート | 〇 | 〇 | 〇 |
回答フォーム | 〇 | 〇 | 〇 |
リマインダ配信 | 〇 | 〇 | 〇 |
タグ管理 | 〇 | 〇 | 〇 |
友だち情報管理 | 〇 | 〇 | 〇 |
カスタム検索管理 | 〇 | 〇 | 〇 |
アクション管理 | 〇 | 〇 | 〇 |
データ移行 | 〇※スケジュール実行なし | 〇※スケジュール実行なし | 〇 |
URLクリック測定 | – | 〇 | 〇 |
コンバージョン | – | 〇 | 〇 |
サイトスクリプト | – | 〇 | 〇 |
リッチメニュー | – | 〇 | 〇 |
クロス分析 | – | – | 〇 |
流入経路分析 | – | – | 〇 |
配信数のシミュレーションをしてみましょう。
友だち数が1,000で、毎月10%のペースで友だちが増加し、ブロック率は5%で毎月一定だったと仮定します。
友だちの10%には月8回、20%には月2回、30%には月3回、40%には月4回セグメント配信を行います。
また、月2回一斉送信をします。
このシミュレーションでは、友だち数が1,000に達してからこの運用を行い、11か月後に合計送信数が15,000を超えます。
月額5,000円から21,780円に切り替わるタイミングです。
Lステップはマーケティングオートメーションツールですが、自動的に集客をしてくれるものではありません。
成果を出すためには押さえるべきポイントがあります。
Lステップを使って何をしたいのかを必ず明確にしてください。
これはマーケティング施策全般に言えることですが、真新しいものに手を出して業務負荷が高まるケースが散見されます。
LINE公式アカウントはリピーターに効果的なツールですので、そこを起点にして考えると良いでしょう。
リピーター比率を高めたいのであれば、新規・リピーターの構成比率を事前に調査しておくことをおすすめします。
リピーターであれば、月にどれくらい足を運んでいるのか、来店する理由、他によく行くお店などを徹底的に聞き出してください。
これが現状把握に繋がり、Lステップを使って何を成し遂げるべきなのかが見えてきます。
正しく現状把握ができると、売上や利益目標に対しての客数が割り出せます。
来店頻度の調査ができていれば、「月1回来店する人の〇%を月2回にする」などの目標ができます。
このようにしてKPIを設定します。
数値は細かく設定しすぎると身動きが取りづらくなります。
そのため、最終的には「月1回来店する人の〇%を月2回にする」という目標を軸に、例えば「半年後に友だち数2,000、ブロック率3%維持、配信するクーポンの利用率60%」といったKPIを設定します。
次に各KPIを達成するために必要な要素を洗い出します。
【半年後に友だち数2,000を達成するための必要要素】
この項目すべてをスタッフに浸透させ、達成できているかどうかを定期的に振り返ると良いでしょう。
やりきれないのであれば、その理由を把握して改善します。
KPIの達成状況を必ず確認してください。
「毎月1週目の水曜日15時は、スタッフとともに数値を振り返る時間」などとミーティングを設定してしまうのが最良です。
稀に、KPIに固執しすぎて不可能な目標を掲げ、スタッフに精神論を掲げるケースが見受けられます。
例えば客席数が15のラーメン店で、「あと3日で1,500人の友だち登録しないといけない」というような、およそ実現不可能な数値を無理に獲得しようとするのです。
これはスタッフの士気が下がる最悪の事例です。
KPIは効果が出ているのかを検証し、出ていないのであればそれはなぜなのかを追及するもの。
達成することよりも、その具体的なプロセスが重要です。
15席のラーメン店の場合、数値を中長期的に振り返ることをせず、数字が伸びないことに対して具体的な取り組みもしてこなかったのでしょう。
その姿勢こそが、KPIを達成できない課題であることを認識すべきです。
KPIは必要に応じて変化させてください。
数値を把握したら、改善に向けた一手を必ず打ち出しましょう。
毎回のミーティングにて、「次に何をするか」を決め、それを実現するための要素、担当者、スケジュールを決めます。
成果を出すコツは、具体的にチームが動ける体制を作ることです。
抽象的な精神論で伸ばすことはできません。
Lステップの構築や運用支援は、外部の専門家に依頼した方が良いでしょう。
専門的な知識が不可欠だからです。
ただし、注意点があります。
飲食店は来店客に料理を提供するという単純なビジネスですが、新規・リピーターの概念や集客ターゲットの重要性、グルメメディアの効果など、集客に繋がる情報が多岐に渡っています。
また、施策を導入する際は店舗オペレーションへの理解が欠かせません。
Lステップの構築や運用支援を依頼する際は、飲食店のサポート経験があるかどうかを必ず確認してください。
Webマーケティング支援やシステム構築などを行うIT企業は、できるだけ工数を削減して利益を最大化しようと考えています。
特に大手企業によく見られるケースですが、要望を聞き届けないで納品することがあります。
経営者や担当者に寄り添い、成果を創出する方向へと目が向いているかを確認すると良いでしょう。
成果を意識している事業者は、目的を把握しようとする傾向があります。
その一方で、作業レベルの仕事を請け負う事業者の場合、細部の「何をしたら良いか」を確認することがほとんどです。
外注の依頼や相談をしている際、相手が作業レベルの話をしていないか注視してください。
Lステップの構築や運用の代行・コンサルティングを行っている主な会社を紹介します。
INFLUはWebマーケティング全般のコンサルティングを行っている会社です。
戦略構築からマーケティング施策の実行支援、運用代行まで幅広くサポートしています。
マーケティングは戦略なしに語ることはできません。
それはLステップの構築も同じです。
成果創出への高いモチベーションがあり、成果を出すためには何が必要なのかを真剣に考えなければ、集客効果を出すことはできません。
経営者やマーケティング担当者に寄り添い、課題を抽出したうえで最良の方法が提案できます。
大阪市に本社を置いており、関西圏の飲食店を多く手掛けています。
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運用代行も行っています。
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ただし、構築する内容によって金額は変動します。
運用支援は5万円から行っている事業者もありますが、戦略構築からのコンサルティングを依頼する場合は数十万円はかかると見て間違いありません。
何をどこまで依頼したいのかを明確にしてください。
多くの飲食店にLステップの構築・運用をおすすめしますが、店舗が持っている課題がLINEというプラットフォームで必ず解決できるわけではありません。
まずは現状把握をし、何が一番の課題なのかを把握することが重要です。
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