2022.07.18

LINEマーケットプレイスとは? ローカルビジネスでの効果的な活用方法を解説

LINEマーケットプレイスは2020年10月に開始されたサービスです。LINE公式アカウントで使える拡張機能を、Webページ上で入手できるものです。

LINEマーケットプレイスが登場したことにより、LINE公式アカウントの拡張機能やLINEミニアプリを短時間かつ低価格で手にすることができるようになりました。

この記事では、LINEマーケットプレイスを活用して、マーケティングに活かすノウハウを紹介します。

1.LINEマーケットプレイスとは?

LINEマーケットプレイス最大の特徴は、LINE公式アカウントの拡張機能といった形で、欲しい機能だけを短期間で導入できる点です。

例えば、飲食店を経営していて、モバイルオーダーを始めたいと考えていたとします。その場合、従来であれば自社アプリを開発し、決済システムを連携させるという複雑な仕組みを構築する必要がありました。

この場合、開発業者の選定から開発要件の決定、システム構築、テストという膨大な時間と費用がかかります。多店舗展開する飲食チェーンであれば費用の負担もしやすいですが、小規模事業者の場合は手が出せません。

しかし、LINEマーケットプレイスでは、LINE公式アカウントと連携するモバイルオーダー機能を追加することができます。費用は提供者によって異なりますが、月額数千円に設定しているサービスがほとんどです。

機能が欲しいクライアントと、開発者を繋ぐのがLINEマーケットプレイスなのです。

【LINEマーケットプレイス概要図】

※<a href=”https://line-marketplace.com/jp/contents/blog/marketplace”>「LINEマーケットプレイスとは│サービス概要、利用方法」より</a>

LINEは拡張機能を提供しているサービスすべてを厳格に審査しています。そのため、機能しないような質の低いものはありません。安心して購入できます。

ただし、LINEが提供しているMessaging APIを同時に利用すると、正常に動作しないものもあります。LINEマーケットプレイスで入手した拡張機能を使う際は、Messaging APIを利用しないことを推奨します。

Messaging APIは以下の方法で確認できます。

1.LINE Official Account Managerの設定において、Messaging APIのステータスが利用中になっていない

2.LINE Official Account Managerの設定、応答設定、詳細設定のWebhookの項目がOFFになっている

3.LINE Official Account Managerの設定、応答設定の応答モードの設定が「チャット」モードに設定されている

開始までのステップ

利用者の視点から開始方法を説明します。

1.LINE公式アカウントを開設

2.LINEマーケットプレイスにアクセス

LINEマーケットプレイス

3.必要な機能を探す

4.「今すぐ入手」をクリックし、遷移先のサービス提供会社のページで申し込み

5.LINE公式アカウントと拡張機能を連携

主なLINE公式アカウント拡張機能

LINEマーケットプレイスにはどのような拡張機能があるのでしょうか?ピックアップしたものを紹介します。

かんたん予約アプリ『ポチコ』

LINEで簡単に予約ができるサービスです。利用者(顧客)はLINE上で数タップするだけで、予約することができます。管理者はWeb上で予約状況を確認できます。店舗運営者が必要な設定は時間と定員を決めるだけです。

利用者には自動で予約の連絡を行う仕組みになっており、リマインド効果による来店率アップにも期待ができます。

複雑な予約ができないことから、飲食店には向きません。パーソナルジム、オンラインレッスン、ヨガ教室、料理教室など、時間割と店員が決まっているものに向いています。

料金は月額3,000円です。

Lモバイルオーダー

飲食店向けのLINE公式アカウント版モバイルオーダーです。テイクアウト注文、来店予約、店内注文に対応しています。商品の選択から注文、決済までをLINE上で完結できるようになっています。

決済は現地決済とLINE Pay事前決済に対応しています。

Web予約は店舗側が管理画面上で確認でき、席数や人数の設定をすることで重複予約の防止ができます。

店内注文を受けられる点も特徴の1つ。新型コロナウイルス感染拡大以降、飲食店は非接触が推奨されるようになりました。店舗のメニュー情報をLINE上で見ることができ、注文をトークで完結することができます。

紙のメニューやスタッフを削減でき、コストカットが可能です。

月額6,000円です。

「かわりに聞くね」kawarii

ボットが顧客の情報や困りごと、ニーズを自動でヒアリングする機能です。

「何名様でご利用しますか?」「どこのエリアでお探しですか?」という決まりきった質問を、スタッフに代わってボットが行うというものです。接客にかかるコストを大幅に低減できます。

質問と回答の設定も簡単に行えるため、作業工数も削減できます。月額4,000円のサービスです。

リピッテ テイクアウト&デリバリー

飲食店向けの自動予約管理システムです。LINE公式アカウントの友だち登録をするだけで注文機能を利用できます。

「テイクアウト&デリバリーPro」では「セグメント配信」機能を使うことができます。顧客情報と注文履歴を組み合わせ、利用頻度の高いリピーターや初回来店から時間の空いた顧客に対して、最適なメッセージを送ることができます。

予約・顧客管理とリピーター対策を検討している飲食店に最適です。

通常版は月額4,000円、Proは月額6,500円です。

店舗集客ならスマプレ

トーク形式で絞り込みながら、顧客が必要とする情報にたどりつけるメニューを作成できます。位置情報から店舗やスポットを検索できるメニューの作成も可能です。

トーク形式での検索ができるため、一方通行ではなく、双方向コミュニケーション型の情報が提供できます。LINEのトークという特性を活かした情報提供ツールです。

月額25,000円です。

主なLINEミニアプリ

LINEミニアプリとはLINEが提供するLIFFを使って開発したWebアプリ。LINE公式アカウントは機能を使うために友だち登録が必要ですが、LINEミニアプリは登録をする必要がありません。

顧客はアプリのダウンロードが必要なく、LINE内でアプリを選択するだけでその機能を使うことができます。サービスの提供者はネイティブアプリのような機能を持たせられ、開発にかかる費用を抑えることができます。

LINEマーケットプレイスでは、LINEミニアプリも入手できます。

CX ORDER

「5秒で会員登録、20秒で注文完了」をコンセプトとして作られたモバイルオーダーLINEミニアプリです。

顧客は店舗を選択し、商品を選んだら決済方法(クレジットカード、PayPay、LINE Pay)を決めるだけの簡単設計です。通知が届いたら店舗へと足を運んで商品をピックアップします。

店舗側は管理画面上でステータスを変更し、ユーザーにプッシュ通知をすれば完了です。

LINE公式アカウントと連携し、セグメントメッセージを送信できます。

初期費用が1,000,000円、月額5,000円です。

EDWARD

会員カード、ポイント会員システムを提供するLINEミニアプリです。

特徴的なのがPOSレジと連携している点。会員カードのバーコードをスマレジで読み取り、会員にポイントを付与できます。POSレジの情報をもとにして顧客にメッセージを送ることができ、リピート対策も万全です。

ダウンロードが必要なく、個人情報の入力も不要です。顧客はQRコードを読み取り、アプリを許可してカードを表示するだけでポイントが貯められます。

初期費用が30,000円~、月額料金が5,500円~です。

funfo

店内モバイルオーダーができるLINEミニアプリです。

注文管理や営業データ管理、会計管理などすべての機能が1つに集約されています。クラウドでデータがリアルタイムで連携されており、複数の端末で同時運用することができます。

月額無料で提供されています。

2.LINEマーケットプレイスでかかる費用

LINEマーケットプレイスを使うこと自体に費用は発生しません。無料で拡張機能やLINEミニアプリを閲覧することができます。

取引されているものの価格は多岐に渡りますが、月額3,000円~30,000円程度に設定されているものが多いようです。

ただし、LINEミニアプリで手の込んでいるものなどは、初期費用が発生することもあります。

3.業態別活用事例

業態別でどのような機能が使えるのかをシミュレーションしてみましょう。

飲食店・レストラン

・会員証

・顧客管理

・セグメント配信

・予約受付

・モバイルオーダー

・テイクアウト

・混雑状況

飲食店は「集客」と「顧客満足度向上」のどちらかに集約されます。会員証や顧客管理、セグメント配信はリピーターを軸とした集客対策です。予約管理やモバイルオーダー、テイクアウトなどは顧客満足度を向上させるためのものです。

予約管理と顧客管理、セグメント配信はセットになっていることも多く、どの拡張機能・LINEミニアプリが相応しいのか見極める必要があります。

美容・サロン

・会員証

・顧客管理

・セグメント配信

・予約受付

顧客に適切なメッセージを配信し、固定客を逃さない努力が必要です。セグメント配信、会員証、予約受付を十分に活用して顧客を囲い込む設計が重要です。

小売店

・会員証

・セグメント配信

・クーポン配信

小売店はECとのクロスマーケティングがカギになります。EC用のクーポンの配布や会員証によって、ECと店舗の両方を利用するフックを作ることで集客効果が図れます。

4.LINEマーケットプレイスを活用するメリット

LINEマーケットプレイスを使うメリットは、以下の3つに集約されます。

・コスト削減

・迅速な導入スピード

・比較可能な仕組み

LINEマーケットプレイスはアプリやシステム開発と同等のものを、LINE公式アカウントなどに機能追加するものです。開発業者を探す手間や開発費用、開発工程などの人、時間、費用を圧縮できます。

新型コロナウイルス感染拡大により、飲食店はテイクアウトやデリバリーに即座に対応しなければなりませんでした。モバイルオーダーは飲食店にとって必要なものとなりましたが、その仕組みをゼロから立ち上げるのには時間がかかります。

場合によっては競合に先を越されることもあります。しかし、LINEマーケットプレイスで必要な機能を見つけられれば、即座に導入できます。移り変わりの早いビジネスシーンにおいて、迅速に導入できる点は心強い味方になります。

モバイルオーダーといっても、業態やエリアなどによって欲しい機能が異なります。LINEマーケットプレイスは様々な開発者が集まり、構築したシステムを販売しています。機能や価格で比較をして検討、購入できる点も優れています。

5.実際の活用事例を知ろう

LINEマーケットプレイスの活用事例として、どのようなものがあるでしょうか? 

来店客をLINE公式アカウントの友だちに

新潟県上越市にあるベーカリーショップでは、LINE公式アカウントを立ち上げ、拡張機能である「テイクアウト・デリバリーどこでも注文くん」を導入。モバイルオーダーの仕組みを取り入れました。

従来は予約情報を管理する業務負荷が重く、タイムラグが生じるなどの課題がありました。拡張機能導入後は電話対応が少なくなり、24時間受付も可能になったことで顧客のストレスも軽減できました。ケーキの予約は以前の1.5倍に増加したといいます。

ファン化に成功させた中華料理店

大阪府寝屋川市の中華料理店では、「Lモバイルオーダー」のエンタープライズ版「Lテイクアウト&オーダー」を導入しました。

コロナ禍でテイクアウト、デリバリーに対応したものの、電話での依頼が多く入り、店舗オペレーションの業務負荷が重くなりました。拡張機能を取り入れてからは、LINE公式アカウントを使ってのやり取りができるようになり、注文受付はテンプレートメッセージで完結させるなど、業務の効率化が図れました。

電話で注文を受けていた際は、来店が集中する時間帯の宅配注文を取り逃がしていたといいます。モバイルオーダーをオペレーションに組み込んだことにより、それがなくなりました。

診断コンテンツで顧客の悩みを解決

ストレッチ系のYouTubeチャンネルを運用するYouTuberは、LINEマーケットプレイスの「診断bot」を活用しています。ユーザーからの悩みに対して的確に回答できるようになりました。

「診断bot」はLINEのトークルームにおいて、ユーザーが悩みに応じて設問の回答をすると適切な動画へ行きつくというもの。ユーザーとコミュニケーションを図りながら、悩みを解決することができます。

拡張機能を取り入れてからは友だち数が1,000人以上増加する日もあったといいます。動画の再生数も伸びており、ユーザーからの評価も高まっているようです。

6.効果的にLINEマーケットプレイスを活用するポイント

LINEマーケットプレイスを賢く活用するためのポイントを説明します。

何を実現したいのかを明確にする

LINEマーケットプレイスには数多くの拡張機能、ミニアプリが用意されています。どれも魅力的なサービスのため、あれもこれも導入したいとなりがち。結局は決められないともなりかねません。

運営している会社や店舗にとって何が課題なのかを見極め、目的を明確にしましょう。機能拡張やミニアプリ導入の際に、考えるべき一番のポイントは顧客を起点にして考えることです。

スタッフの業務負荷を軽減することよりも、顧客に何を還元できるのか、どのようなサービスを提供できるのかを第一に設定してください。

飲食店がモバイルオーダーを導入する場合を想定してみましょう。モバイルオーダーによって「スタッフの電話対応という業務負荷を軽減できる」ことを起点にしないでください。「来店客、デリバリー、テイクアウトともに一人でも多くの人に料理を楽しんでもらう」ことを起点にします。

そうすると、「新メニューが出たら、デリバリーだけで注文する顧客にも知らせてあげたい」と考え、自然と「顧客管理とセグメント配信機能が必要だ」となります。

業務負荷を軽減することを目的とすると、その機能だけに着目してしまい、本当に必要な機能を見落とすことがあります。

顧客のどのような課題を解決したいのかを明確にする

顧客を起点にして考えると言っても、そう簡単にできるものではありません。その場合、顧客に対してアンケート調査をするという方法もあります。

顧客が不満を感じているポイントがどこにあるのかを、直接聞き出す方法です。LINE公式アカウントでは、アンケートフォームを作成することが可能です。紙のアンケートは作成や集計に時間がかかりますが、LINEであれば簡単に設定、調査ができます。

7.費用が嵩むアプリ開発を数万円で行える可能性も

LINEマーケットプレイスでは、数百万円かけて構築するようなシステムを、月額数千円で見つけられる可能性があります。上手く活用すれば顧客満足度を上げられ、コスト削減が図れます。

特に飲食店や美容室、小売店などのローカルビジネスを展開している人には見逃せないプラットフォームです。会員、ポイント、決済、事前予約など、時代に合わせたシステムを導入したいと考えるビジネスオーナーは多いもの。しかし、多額の費用がボトルネックになっていました。

どのシステム会社に依頼をしたら良いのかわからない、という声もよく聞かれました。LINEマーケットプレイスであれば、機能と費用が明確で、同様のものを比較できます。

株式会社INFLUは、ローカルビジネスにおけるWebマーケティングに強みを持つ会社です。マーケティングの戦略構築から施策の実行支援までを一貫して行っています。LINEマーケティングは独自のノウハウを持っており、リピーター創出に寄与してきました。

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