Webマーケティングという言葉を聞いたとき、「響きはかっこいいけど難しそうだな」と思う方もいれば、「ビジネスの基本だ」と感じる方もいることでしょう。
確かにWebマーケティングの世界にはカタカナや英文字で書かれた専門用語が多く、日常生活ではあまり目にすることのない概念や要素が多いことは事実です。
しかし、Webマーケティングの用語や概念にはそれぞれ「正しい使い方」が存在します。そして専門用語や考え方を覚えるだけでなく、正しい順序で組み合わせて応用することではじめてWebマーケティングの戦略が生まれるのです。
この記事では、Webマーケティングを始めるにあたって必ず習得しておきたい戦略・フレームワークについて解説します。
目次
そもそもWebマーケティングとは「より多くの人を集客し、ビジネスの本来の目的の達成へと導くための施策」を一言で定義したものです。
Webマーケティングを行う本来の目的は多くの場合「自社のある商品の売り上げを伸ばす」や「自身の知名度を向上させることで認知度を上げる」となります。
まず最初に具体的な目標を決め、達成のための道のりを立てて考えることではじめてWebマーケティングの「戦略」が生まれるのです。
Webマーケティングと聞いただけで難しいと捉える必要はありません。イメージとしては「ゴールに向かうための幾つかのステージ」と、ゲーム感覚で捉えるのも良いでしょう。
そしてWebマーケティングのツールは、目的ごとに大きく分けて4つのパターンに分類されます。
Webマーケティングを「専門家にしかわからない高度な技術」や「自分なんかには縁のない世界」と捉える方も決して少なくないかもしれません。
しかし、前述の通りWebマーケティングは「目標達成のための道のり」を一言で表したものです。私たちの身近なもので例えると、以下のものをイメージすることができます。
・就活生が憧れの企業に合格するために、面接においての戦略を立てる流れ
・サトシがポケモンリーグ出場のため8人のジムリーダーに勝利していく道のり
・マリオがピーチ姫を助けるまでに倒していく敵・クリアしていくステージ
医学や政治とは違い、Webマーケティングは決して専門家にしか出来ないことではありません。ビジネスにおける目標達成に最低限必要なフレームワークを正しい順序・使い方で組み合わせることが出来れば、ほとんどの人が明日からでも手を出せるものなのです。
Webマーケティングのフレームワークには4つのパターンがあり、それらを簡単にまとめると以下のようになります。
・現状を正しく把握する「分析」の視点で使うフレームワーク
・アイデアを出す「立案」の視点で使うフレームワーク
・プランを具体的な数字に落とし込む「可視化」の視点で使うフレームワーク
・一度の達成だけでは終わらないための「継続的改善」の視点で使うフレームワーク
Webマーケティングにおいて、これら4つの視点から必要となるフレームワークを順序立てて組み合わせることで、はじめて「戦略」というものが生まれるのです。
以下段落ではWebマーケティングの4つの視点におけるフレームワークの名称や概念に加えて、それらを応用した戦略の立て方を詳しく解説します。
ここからは、Webマーケティング戦略におけるフレームワークを4つの視点に分けてそれぞれ解説します。
初めて見る言葉が多くて戸惑うかもしれませんが、頭の中で具体的な例を思い浮かべたり、実際に企業や事業家が使っている手法などを思い浮かべてみることがポイントです。
まずはWebマーケティングを行う目的を決めた後の最初のステップとなる「分析」の視点で使うフレームワークを紹介します。
以下3つのフレームワークは業界、事業規模を問わず使われることが多いものとなっているため目を通しておきましょう。
3C分析はCustomer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)という3つの「C」の要素に分けて市場を分析する方法です。
自社の商品やサービスの認知拡大や売り上げの向上に向けての課題を3つの要素からなる角度から分析することで、マーケティングにおいて「実際に求められているもの」が見えやすくなります。
4P分析はProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の4つの頭文字からなるマーケティング用語の一つです。
商品やサービスの質や価格、流通手段や販売方法などにおける問題を可視化することができるようになるため、幅広い角度における市場分析が可能となります。
問題解決フレームワークのひとつであるロジックツリーシンキング。枝分かれをする葉のように1つの物事を分解していくことによって、問題の原因や解決策を洗い出す手法です。
ロジックツリーシンキングには手段を追求する「Howツリー」や、目標に向けての過程を可視化する「KPIツリー」などが存在します。
ロジックツリーを使うことで市場における自社商品やサービスの現状を抜け漏れなく洗い出すことができるため、突発的な問題による計画の立て直しなどの可能性を下げることができます。
分析の視点で使うフレームワークが決まったら、次は実際に使うアイデアを思い浮かべるために欠かせないステップとなる「立案」です。
立案のステップでは自社の現状だけでなく、競合他社や参入する業界の市場を把握することが欠かせません。以下のフレームワークをしっかり押さえておきましょう。
PEST分析は自社を取り巻く外部環境をマクロの視点「広い視点」で分析する手法であり、主に世界経済や国際情勢の動向などに着目します。
PESTとは、「Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)」の4つの頭文字からなり、主に「世の中の動きが自社に与える影響」を分析するのに役立つフレームワークです。
SWOT分析は自社の現状を「Strength(強み)」、「Weakness(弱み)」、「Opportunity(機会)」、「Threat(脅威)」の4つの視点に分けて分析するフレームワークです。
主に自社の内部環境に着目するフレームワークとなるため、外部環境に着目するPEST分析と掛け合わせることで、対になる二つの視点からマーケティングを行うことができるようになります。
PPM分析は「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」を略したフレームワークであり、自社や商品・サービスの現状を以下4つに分けて分析します。
・市場成長率・市場占有率共に高い花形(Star)商品・サービス
・大きな市場成長率は見込めない市場占有率は高い金のなる木(Cash Cow)商品・サービス
・市場占有率は低いが高い市場成長率が見込める問題児(Problem Child)商品・サービス
・市場成長率・市場占有率共に低い負け犬(Dog)商品・サービス
PPM分析を行うことで「市場成長率」と「市場占有率(マーケットシェア)」の2軸からなる座標から自社商品やサービスを分類できるようになります。
Webマーケティングの施策が決まったら、次はその方法をより具体化させるための「可視化」のステップとなります。
以下3つの考え方を具体的な戦略に落とし込むことを心がけましょう。
5W1Hは「What」、「Where」、「When」、「Who」、「How」の5つの視点でマーケティングを考える手法の一つです。
「いつ、どこで、誰が、何を、どうする」と考えると非常に簡潔であり、Webマーケティングの施策を練る上ではこの5つの要素を直接埋め合わせることで、施策を具現化しやすくなります。
MECEは「もれなくダブりなく」と訳されるフレームワークの一つであり、頭文字のそれぞれの意味は「Mutually(お互いに)、Exclusive(重複せず)、Collectively(全体に)、Exhaustive(漏れがない)」となります。
MECEの考え方を応用することで、Webマーケティング戦略を考える上での漏れやダブリを防ぎ、分析すべき要素を全体的に網羅できることがポイントです。
バリューチェーンは「価値連鎖」と訳されるフレームワークであり、商品の製造や販売、開発や労務管理など一連の活動を価値の連鎖として捉える考え方を指します。
バリューチェーンを使うことで自社で行われている一連の活動を可視化し、一つ一つの活動・行動からなる「物の連鎖」と「価値の連鎖」を分析することができます。
Webマーケティングを行う上での具体的な方法や戦略が決まり、実際に行動を始めた後に必要となるのが「継続的改善」です。
また継続的改善のステップはWebマーケティングに止まらず、全てのビジネスにおいて自社の商品やサービスの売り上げや知名度を常に向上させることに直結します。
継続的改善のステップではほとんどの場合、以下のフレームワークを活かした施策を考えることが多いので是非チェックしておきましょう。
PDCAサイクルはPlan(提案)、Do(実行)、Check(確認)、Action(改善)の4つのステップにより成り立つフレームワークで、自社商品やサービスの継続的改善に役立ちます。
PDCAサイクルを活用するのに同時に必要になるのがトライアンドエラーの考え方。実際に行動してみて違ったから改善する、というのはビジネスではよくあることです。
PDCAサイクルを使うことで「計画を実行したら〇〇があまり良くなかったため改善した」といった過程をシンプルかつ論理的に可視化することができるようになります。
検索エンジンの最適化を行うSEO対策も、Webマーケティングにおいて欠かせないステップの一つです。
SEOにはWebマーケティングとはまた異なるニッチな専門用語や考え方が必要となるケースが多いため、組織にSEOに強い人材がいると大きな力になるでしょう。
またSEOに関する知見が深い人が社内にいない場合も、SEOに強い構造となっているWordPressなどのドメインを使ったり、参考書を活用することで対処することが可能となります。
自社商品やサービスの認知拡大へ向けての取り組みはオンライン上でのマーケティングに留まりません。
実際に手を動かして企業のSNSアカウントを運用したり、ブログなどを活かして情報発信をすることも立派なWebマーケティング戦略のひとつです。
また宣伝方法もオンラインだけではなく、ポスターやチラシなどを使った広告なども自社商品やサービスの認知を拡大する上で優位に働くことがあるケースも多くなっております。
この段落では、Webマーケティングにおける戦略・フレームワークを習得するのにオススメな方法について解説します。
Webマーケティングにおけるフレームワークの種類や基本的な使い方を習得するのにおすすめな一つ目の方法は、Webマーケティング戦略に関する参考書を読むことです。
以下ではWebマーケティング戦略を学ぶのにオススメな書籍を2〜3冊ほど紹介しております。興味のある方は是非見てみましょう。
沈黙のWebマーケティング −Webマーケッター ボーンの逆襲−
「沈黙のWebマーケティング −Webマーケッター ボーンの逆襲」はSEOやコンテンツの改善に特化した専門書籍です。
漫画で書かれているページも多く、ストーリー性もあるため実際にWebマーケティング関連のビジネスを始める人にとっても手を伸ばしやすい一冊となっております。
マーケティングの入門書である「マンガでわかる!Webマーケティング」。この本を読むことで、Webマーケティングの具体的なイメージが持てるようになります。
初心者がつまずきやすい概念や用語についても絵や図で丁寧に解説されているため、Webマーケティングに対して難しいイメージを持っている人にとっても読みやすい一冊です。
「Webマーケティング集中講義」では、Webマーケティングに関する多くの専門知識がわかりやすく簡単な言葉で解説されています。
この本を読むことで一見難しそうに見えるWebマーケティング用語に対して具体的なイメージを持ちやすくなるため、自身のビジネスへの応用も比較的しやすくなります。
実際にWebマーケティングに強い・もしくは具体的な結果を残している企業を参考にすることも、自社でも応用できることを分析するきっかけの一つとなる場合が多いです。
Webマーケティングに強みを持つ企業や、具体的な成果を出している企業については以下の段落で紹介します。
実際に企業が法人・個人向けに行っているWebマーケティングサービスを利用した上で、どのような手法を使っているかを分析することも一つの選択肢です。
ただ顧客として企業のサービスを利用するのではなく、「このステップではこのフレームワークを使った分析をしているのか」といったように、相手側のサービスから自社の現状改善に繋がるヒントとなるポイントを洗い出すことを心掛けましょう。
ここからは、Webマーケティングの戦略を1から立てる上での具体的な手順をそれぞれ解説します。
Webマーケティングの戦略を考えるにあたっての順番は簡単にまとめると以下7つのステップに分けられ、一つでも欠けたり順番が異なっていては戦略が成り立ちません。
①:最終目的やゴールを明確化する
②:目的やゴールに対する現状を分析する
③:ライバルや競合他社と比較する
④:具体的な計画を可視化する
⑤:計画を実行する上でのスケジュールを立てる
⑥:計画を行動に移す
⑦:②〜⑥のステップを順番通り繰り返す
以下では、これら7つのステップにおける具体的なイメージや方法をそれぞれ解説します。
Webマーケティングを始める上での最初のステップは、「目的とゴールを明確化する」ことです。
「何故Webマーケティングを通してこの商品・サービスを広めたいのか」という質問に答えられる程度でかまいません。そしてゴールとなるのは「商品・サービスを広げることで何を実現したいのか」という質問の答えになるように決めることがポイントです。
最初に明確な目的や具体的なゴールを決めておくことで、それぞれのステップで行うべき行動や最適なフレームワークが決めやすくなり、戦略を立てやすくなります。
Webマーケティングを行うための目的や目指すゴールが決まったら、次はゴールを実現するための計画に対して自社の強みや弱み、課題を分析するステップに移ります。
Webサイトの現状や自社商品・サービスの認知度や売り上げなどの数字を可視化して現状と向き合うことで、ゴールに向かうために伸ばすべき要素が見えてくるのです。
社内の現状がある程度把握できたら、次はライバルとなる企業と差別化できる点を見つけて比較することです。
ライバルとなる企業の提供している商品やサービスの現状を分析するのには、競合他社分析に特化したツールを使って数値を可視化することが必要不可欠となります。
競合他社の現状を把握した上で、自社の商品やサービスが「負けない点」と「かなわない点」を可視化した上で、具体的な差別化戦略を立てていきましょう。
競合他社との比較がある程度終了したら、次は実際に行うWebマーケティングの戦略における具体的な計画を可視化するためのステップに移ります。
自社の現状及び競合他社の特徴を分析した上で実現可能な予算や人的リソースなどを具体的に算出し、Webマーケティングの計画及び戦略を可視化することがポイントです。
具体的なWebマーケティングの計画が完成したら、次は実際に計画を実行する上でのスケジュールを立てていきましょう。
ここで大切なのは、定期的に現状を把握した上で改善点を見出す「継続的改善」のフェーズです。そのためには「いつ、誰が〇〇を担当するか」などといった具体的なスケジュールを立てる必要性があります。
具体的なWebマーケティングの戦略やスケジュールが決まったら、次は計画実行のフェーズです。
Webマーケティングの戦略は一度決めたら終わりではありません。自社サイトや商品、サービスを長期的に運用するためには、継続的改善が必要不可欠です。
Webマーケティングにおける戦略の実行後はPDCAサイクルを回すことが重要となるため、常に「計画・実行・確認・改善」が必要であることを心がけておきましょう。
この記事で紹介しているフレームワークは専門家やマーケティングの世界においての権威性のある人物が「こうするべき」と唄う言葉を一つの言葉にして表したものです。
その反対に「こうしてはいけない」と言われている注意事項も、Webマーケティングの世界には数多く存在しています。
この段落では、Webマーケティング戦略を立てる上でまず最初に気をつけておきたい点を3点解説します。
Webマーケティングの戦略を立てる上で注意しておきたい1つ目のポイントは「考えるだけの時間”で動かない時間を伸ばしすぎない」ことです。
Webマーケティングの世界には絶対的な正解はありません。場合によってはトライアンドエラーを踏まえた継続的な改善が必要であることを理解しておきましょう。
業界用語を暗記するだけで終わることも、実際にWebマーケティングを行う上では役に立たないので気をつけておきましょう。
動画や書籍からWebマーケティングに関する用語や情報の知識を得るだけでなく、身近な例と結び付けて考えたり、自社製品を使って具体的に再現(アウトプット)することが大切となります。
むやみに業者に頼りすぎることは自社の成長につながりにくくなるだけでなく、場合によってはサービスの質に見合わない高額な料金を請求されることになりかねません。
企業のWebマーケティングサービスを使うときは、情報収集して適正価格であるかどうか見極めることを心掛けましょう。
この段落では、Webマーケティングに強い会社やWebマーケティングのサービスを提供している会社を3社紹介します。
会社規模やジャンルには違いがあるものの、どの企業も「Webマーケティングを通して成長している」ことに変わりはありません。是非参考にしてみましょう。
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2004年創業以来300社以上を支援してきたマーケティング会社である株式会社リーディング・ソリューション。中でもBtoBに特化したデジタルマーケティングのサービスは大手から中堅企業まで幅広い規模における企業からの導入実績があることが強みです。
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「成功への「道順」をお客さまとともに考える」ことをコンセプトとしたWebマーケティングを行うことに特化している企業であり、サイバー攻撃への対処やモバイルレスポンシブといった分野にも強みを持っていることが特徴です。
「Webマーケティングのフレームワーク・戦略」について解説しました。
Webマーケティングの世界には難しい用語が多いものの、出来るだけ身近なものに例えたり流れを正しく理解することで、比較的学習を始めやすい分野であることも事実です。
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Webマーケティングの世界における他社の成功事例を参考にしていく中で、「ここは〇〇のフレームワークを使って立てた戦略かもしれない」と、自分の中で仮説を立てて考える習慣をつけてみるのも一つの選択肢となるでしょう。
そしてそのようなプロジェクトには必ず「スタートからゴールまでの一貫性」が存在します。この一貫性こそが、Webマーケティングのフレームワークを活かした塊とも言える「ビジネス戦略」なのです。
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