2022.08.08

Webディレクションとは?業務内容や求められるスキルを徹底解説

「Webディレクターって結局なんの仕事をしているんだろう?」

Web関連の仕事に就いたばかりの人の中で、最初にこのような疑問を浮かべる人は少なくありません。

Webディレクターの役割は多岐にわたるため、仕事内容を知るにはそれぞれのステップにおける内容や目的を理解することが必要不可欠です。

この記事では、Webディレクターの行うWebディレクション業務の概要や役割、求められるスキルや仕事に必要な知識の学習方法を解説します。

「Webディレクションとは何かを知りたい」「Webディレクターとして働くために大切なことを知りたい」と考えている方はぜひ、この記事を参考にしてください。

1.Webディレクションとは

Webディレクションとは、Webサイト作成の提案や制作、運用といったステップにおける責任を持ってメンバーの管理を行うことを指します。

Webディレクターはこの業務を専門的に担当する人のことを指し、詳細は以下の通りとなっております。

Webディレクターとは

Webディレクションを専門的に行う職業はWebディレクターと呼ばれており、Web関連媒体やSNSの運用が重要視される現代社会において、その数は年々増加傾向にあります。

求められる専門知識が多いものの、未経験や若い年代からでも挑戦しやすい職種の一つとなっていることも、Webディレクターが年々増え続けている一つの理由です。

2022年7月時点において、国内のWebディレクターに関する情報は以下のようになっています。

Webディレクターの数Webディレクターの業務内容Webディレクターの年収
1チームごとに3〜7名。小規模のチームの場合は1人の場合もある。ヒアリング、企画提案、予算管理、スケジュールの進行管理など約400〜550万円

Webディレクターの中にも以下のような種類があり、雇用形態や働き方も様々であることが特徴です。

・社内においてWebディレクション業務を行うインハウスのWebディレクター

・企業に属さず個人で仕事を請け負うフリーランスのWebディレクター

・企業に属しつつ、個人でも案件を請け負う副業Webディレクター

Webディレクターは総合力が求められる

Webディレクターは一つの特出したスキルよりも、幅広い業務を同時かつ満遍なく行える総合力が重視される傾向があります。

Webディレクターは新しい提案を行うためのアイデア発想力やお客様とのやり取りに加え、チーム内全体の統括などリーダーシップも求められる職業です。

Webディレクターの行うディレクション業務の内容については、以下段落で更に詳しく解説します。

2.Webディレクターの役割

WebディレクターがWebディレクション業務を行う上での役割には、大きく分けて以下4つがあります。

・価値の高いWebサイトの作成

・クライアントのニーズの把握

・プロジェクトの全体的な予算・工数の見積もり

・チームメンバーの管理

これら4つの役割についてそれぞれ詳しく解説します。

価値の高いWebサイトの作成

Webディレクターの一つ目の役割は、価値の高いWebサイトを作成することです。

価値の高いWebサイトの定義はクライアントの要望によって異なり、具体例として以下のような条件が含まれることが多い傾向にあります。

・SEO順位の上がりやすいWebサイト

・決済やモバイル対応などの機能に対応しているWebサイト

・UIUXに特化したWebサイト

ヒアリングを通してお客様にとっての「価値の高いWebサイトの定義」とは何かを判断することは、Webディレクターとしての真価が問われるステップです。

クライアントのニーズの把握

Webディレクターの二つ目の役割は、クライアントのニーズを正確に把握することです。

自らの提案力やアイデア発想力だけでなく、お客様に対してのヒアリングから潜在的な悩みを引き出すこともWebディレクターの役割の一つとなります。

相手の悩みを頷いて聞くだけでなく、「それは〇〇が原因ではないか?」という視点を常に頭に入れた上でお客様との話し合いに臨むことがポイントです。

・ヒアリング力が問われることを解説

プロジェクトの全体的な予算・工数の見積もり

Webディレクターの三つ目の役割は、プロジェクト全体的な予算・工数の見積もりを行うことです。

プロジェクト全体における予算を把握することで、外注費や制作に必要な物資などの経費の新制限度額を見える化し、現実的に実行可能な計画を立てることができます。

計画が立った後はプロジェクト全体の工数見積もりを行った上で、メンバーへの業務の振り分けや工数の管理を行うこともWebディレクターの役割です。

チームメンバーの管理

Webディレクターの四つ目の役割は、納期から逆算して予算や人的コストの見積もりを立てることです。

Webディレクション業務においての提案についてお客様と合意した後は、決められた納期までに成果物を完成させる義務があります。成果物の作成は一人ではなく複数人のメンバーで力を合わせて行うため、Webディレクターにはリーダーとしての振る舞いや役割が求められるのです。

メンバーの業務の進捗や成果物の品質管理のほか、一人一人の稼働状況やメンタルまでも管理できるようになることで、リーダーとして信頼される人材となりやすくなります。

3.Webディレクションを学ぶのにおすすめな方法

Webディレクションに関する知識やノウハウを学ぶのには、以下3つの方法がおすすめです。

・書籍から学ぶ

・Webディレクション検定を受講する

・実際にWebディレクターとして働く

それぞれの方法について詳しく解説します。

書籍から学ぶ

Webディレクションに関する知識やノウハウを学ぶ一つ目の方法は、専門書を通して新しい知識をインプットすることです。

参考書を読むことはアナログかつ現代でも欠かせない勉強方法であり、幅広い分野における専門家も日々読書を通して知識をインプットしています。

以下ではWebディレクションをゼロから学ぶのにオススメな書籍を2種類紹介しているので、興味のある方は是非購読を検討してみましょう。

『Webディレクションの新・標準ルール 改訂第2版 現場の効率をアップする最新ワークフローとマネジメント』

『Webディレクションの新・標準ルール 改訂第2版 現場の効率をアップする最新ワークフローとマネジメント』は、駆け出しのWebディレクターが業務内容をイメージするのに役立つ一冊です。

Webディレクターの仕事の流れやプロジェクト管理におけるポイントが網羅されているため、実務に入る前の入門書としても使えることがポイントとなっています。

<h4>『現場のプロがやさしく書いたWebサイトの分析・改善の教科書【改訂2版】』</h4>

『現場のプロがやさしく書いたWebサイトの分析・改善の教科書【改訂2版】』には、Webディレクターとして知っておきたいWebサイトの分析や改善方法が数多く記載されています。

技術面のポイントだけでなくアイデアの提案やWebサイトのトレンドも記載されているため、Webサイトに関する最先端の話題にも強くなれる一冊です。

Webディレクション検定を受講する

Webディレクションに関する知識やノウハウを学ぶ二つ目の方法は、Webディレクション検定を受講することです。

Webディレクション検定はWebディレクターが実際に業務を行う上で最低限必要な知識が試験範囲に網羅されており、基礎を学ぶ上で非常に役立つ資格の一つです。

ご興味のある方は、Webディレクション検定の公式サイトをチェックしてみてください。

実際にWebディレクターとして働く

Webディレクションに関する知識やノウハウを学ぶ三つ目の方法は、実際にWebディレクターとして働いて業務に触れることです。

未経験からWebディレクターを募集している会社は少なくありません。駆け出しの時期においての給与や待遇は低くても、実務経験を積みやすいというメリットがあります。

未経験からWebディレクターとして働きたい方は、GoogleやTwitter上で「Webディレクター 募集 未経験」などと検索してみるのも一つの選択肢です。

4.Webディレクション業務に求められる能力

Webディレクション業務において求められる能力は、大きく分けて以下の5つがあります。

・話す・聞く両方におけるコミュニケーション能力

・チームを統括するマネジメント能力

・ヒアリングを元にアイデアを生み出す提案能力

・プレイヤーとして現場で働いた経験から得た能力

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

話す・聞く両方におけるコミュニケーション能力

Webディレクション業務において求められる一つ目のスキルは、話す・聞く両方におけるコミュニケーション能力です。

話すコミュニケーション能力は顧客への提案や良好な関係構築、聞くコミュニケーション能力は顧客へのヒアリングやメンバーの状態管理に役立ちます。

どちらもWebディレクターには欠かせない能力であり、鍛えるポイントは「まずは相手の話を聞いて頷き、一度頭で整理した上で自分の意見を述べる」ことです。

チームを統括するマネジメント能力

Webディレクション業務において求められる二つ目のスキルは、チームリーダーとしてメンバーを統括するマネジメント能力です。

ヒアリングを元にアイデアを生み出す提案能力

Webディレクション業務において求められる三つ目のスキルは、ヒアリングを元にアイデアを生み出す提案能力です。

顧客へのヒアリングの中で瞬時にアイデアを生み出せるに越したことはありません。しかし、そのようなシーンは余程の経験や専門知識を伴うことが必要不可欠となります。

ヒアリングを通して得た情報を元にアイデアを生み出すための情報収集やリサーチの精度の高さも、アイデア提案へ直結する大切な能力となることを押さえておきましょう。

プレイヤーとして現場で働いた経験から得た能力

Webディレクション業務において求められる五つ目のスキルは、チームのメンバーとして現場で働いた経験から得た能力です。

Webサイトの作成にはメンバーに以下の人材が必要です。以下の職種の経験は、現場での稼働状況や工数の見積もりに大変役立ちます。

・Webサイト自体の作成、機能面の実装等を行うプログラマー

・Webサイト内の文章やコンテンツを書くライター

・Webサイトのグラフィックや見た目を提案・作成するデザイナー

Webディレクターとしてメンバーを選定する際には、これらの職種を経験した人に実際の作業状況や知って欲しいポイントなどを聞くのも一つの選択肢です。

5.Webディレクション業務を行う上での流れ

Webディレクション業務を実際に行う上での流れは以下のようになっております。

  1. 顧客に対してヒアリングを行う
  2. ヒアリングで得た内容からアイデアを提案する
  3. 予算や工数の見積もりを行う
  4. チームメンバーを選定する
  5. 定期的に進捗管理を行う
  6. メンバーが納品した成果物をまとめる
  7. 先方に成果物を提出し、検修作業を行う

それぞれのステップには明確な目的が存在します。Webディレクターを目指している人やなりたての人は是非一度目を通してみてください。

参考記事URL

顧客に対してヒアリングを行う

Webディレクション業務の一つ目のステップは、顧客に対してヒアリングを行うことです。

このステップでは自分の考えを話すのではなく、質問を通して相手の現状や見えない問題点を洗い出し、アイデアを提案するまでの準備を行うことを心がけましょう。

<h3>ヒアリングで得た内容からアイデアを提案する</h3>

顧客に対してのヒアリングが終わったら、次は得た情報を元にアイデアを提案するステップです。

前述の通りアイデアの提案には情報収集やリサーチが欠かせません。

顧客にアイデアを説明する際には、資料に対してどのような質問がきても自信を持って答えられるよう準備しておきましょう。

予算や工数の見積もりを行う

実際に作成するWebサイトの方向性やアイデアが決まったら、次はプロジェクト始動から成果物納品までの予算や工数の見積もりを行います。

予算や工数の見積もりにはメンバーとしての仕事経験があるに越したことはないため、未経験の場合は実際に経験のある人にアドバイスをもらうのも一つの選択肢です。

チームメンバーを選定する

プロジェクトの予算や工数の見積もりの完了後は、実際に一緒に仕事を行うチームのメンバーの選定を行うステップです。

メンバーを選定する際には資格や成果物などスキル面だけでなく、面談を通して性格や人間性をできる限り把握することがポイントとなります。

チームのメンバーが決定したら、それぞれに作業や納期を振り分けると同時に、報酬形態や振り込み日などを双方で明確にしておきましょう。

定期的に進捗管理を行う

プロジェクトの始動後は、定期的に各メンバーの作業の進捗管理を行いましょう。

Webディレクターとメンバー双方のコミュニケーションを円滑に行うためにも、進捗管理のペースの共有やレスポンスの方法などを共有するのもおすすめです。

メンバーが納品した成果物をまとめる

各メンバーの作業が終了したら、それぞれの成果物をまとめる作業を行います。

Webディレクターはチームのリーダーとして各メンバーの成果物を客先に提出できる状態までまとめ上げ、それぞれのメンバーにも納品状況などの共有を定期的に行いましょう。

先方に成果物を提出し、検修作業を行う

成果物のまとめ作業が完成したら、納期までに先方に成果物を提出して検修作業を行います。

検修作業は顧客によるレビューでもあります。修正箇所が発生する可能性が高い場合、以前のステップのどこかで予めメンバーに内容を伝えておきましょう。

顧客への成果物の納品が完成したら、各メンバーへの連絡や報酬の振り込みを行いましょう。Webディレクターの仕事の流れは、大まかに分けると以上となります。

6.Webディレクションに必要なスキル

Webディレクション業務に必要なスキルは、以下の4つがあります。

・UI/UX改善

・成果創出・マーケティング

・プロジェクト管理

・折衝

ここからは、それぞれのスキルの内容や求められるポイントを深掘りしていきます。

UI/UX改善

Webディレクション業務に必要な一つ目のスキルは、UI/UXを改善できるスキルです。

UI/UXの定義は以下のようになっております。

UI:「ユーザー・インタフェース」の略で、ユーザーの目に留まるサービスやプロダクトの外観を指す。

UX:「ユーザー・エクスペリエンス」の略で、ユーザーがサービスやプロダクトを通して得た体験を指す。

UIとUXは、どちらもWebに関する業務を行う上で欠かせないポイントです。Webディレクターを目指したい人は、これら2つの基礎知識を必ず事前に習得しておきましょう。

成果創出・マーケティング

成果創出やマーケティングに関するスキルも、Webディレクション業務を行う上で重宝されます。

中でも価値の高いWebサイトの制作や効果の実現には、SNSの運用やWebマーケティングツールの活用が欠かせません。

成果創出のための目標を設定し、道筋を立て、その中の各段階で使うツールや知識を備えることで、Webディレクターとしての顧客からの信頼度が上がります。

Webマーケティングについては、以下の記事も参考にしてみましょう。

プロジェクト管理

プロジェクトを管理するスキルは、Webディレクション業務を行うにあたって欠かせません。

Webディレクターはチームのリーダーならびに顧客との接点として時間や金銭、人材や成果物の品質を総合的に管理する能力が求められます。

「目標を達成するためにはいつまでに何が必要か」「誰に何をしてもらうことで目標を実現できるか」といった視点を持つことは、Webディレクターに求められる必須条件です。

折衝

顧客とのやり取りにおける折衝や駆け引きを行う能力も、Webディレクターに求められるスキルであることは間違いありません。

顧客とのやり取りにおいての折衝では、以下の点を頭で意識しておくことがポイントです。

・現実的に可能な範囲での単価・納期の交渉

・メンバーの単価アップに向けた取り組み

・トラブル発生時の対応方法の明確化

顧客やメンバーからより熱い信頼を置かれるWebディレクターになるためにも、顧客との交渉における作戦を頭の中で考えておくことは必要不可欠です。

7.Webディレクションには「ヒアリング・提案・管理」3つのスキルや直感が鍵となる

今回は、Webディレクション業務を行うにあたって必要な事前知識やそれらの習得方法、実際の業務内容や求められる能力・スキルについて解説しました。

Webディレクション業務には数多くの能力・スキルが求められ、それらを分類すると「ヒアリング・提案・管理」の3種類となります。

お客様のニーズを把握し、解決案を提案したのちに実際の成果物の納品に向けてのチームの結成や統括をすることで、はじめてWebディレクターとしての価値が生まれるのです。

株式会社INFLUでは、Webディレクション業務に精通した経験豊富なプロのスタッフが複数名在籍しているだけでなく、Webマーケティング向けのスクール事業も行っています。

興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。