今やインターネットに情報が溢れかえっている現代社会におけるビジネスの基本とも言われているWebマーケティング。この言葉をインターネットで検索すると、初心者向けの教材やビジネスマン向けのツールが数多く存在することがわかります。
普段忙しい方にとっては、一つ一つの言葉や概念を覚えることはあまり現実的ではありません。
また、Webマーケティングのツールは使い方を勉強するだけでなく、ビジネスという実践の場でアウトプットすることではじめて「使いこなしている」と言えるのです。
この記事では、Webマーケティングの仕事をしていく上で欠かせない6つのタイプのWebマーケティングツールについて解説します。
目次
またWebマーケティングは営業やシステム開発の流れにもよく似ており、「スタートからゴールまでの一貫した正しい順序が存在する」ことが共通点となっています。
Webマーケティングのツールは知っているだけでは意味がなく、実際に仕事で使うための方法や施策を考えて形にすることで初めて意味を成してくるのです。
以下段落で紹介していくツールの中には、一度は見たことのあるものも多いと思われます。しかし、いざ自分がそのツールをビジネスで使うとなると、どのような活かし方をするかを考えられるでしょうか。
実際に軽く触れたことのあるツールにおいても、新たな発見や使い方を追い求めていくことで、新たな魅力や使い方に気づくこともあるかもしれませんね。
Webマーケティングの流れについては以下の記事でも紹介しており、簡単に表すとこのような流れとなります。
・分析
・立案
・可視化
・継続的改善
※Webマーケティングの流れ・戦略についてはこちらの記事もご参考ください。
対して営業の流れは以下のようになり、それぞれの要素が上記4つのステップに非常に近しいものがあることが特徴です。
・ヒアリング
・提案
・実行
・アフターフォロー
また、システムエンジニアやITコンサルタントが携わるシステム開発においての流れも、Webマーケティングの流れに似ている点が多く存在しています。
・要件定義
・設計
・実装・テスト
・納品・運用保守
Webマーケティングの概念や流れを正しく理解することで、他方面におけるビジネスへの応用をしやすくなります。
数多く存在するWebマーケティングのツールには以下6つのタイプがあり、使用用途や目的がそれぞれ異なることが特徴です。
・Webサイトへのアクセスの状況を把握する「アクセス解析ツール」
・現状のWebサイトを改善する「サイト改善ツール」
・ユーザーのサイト内での動きを把握する「ヒートマップツール」
・2つのアイデアを実際に使って比べる「ABテストツール」
・検索エンジンの最適化を図る「SEOツール」
・ライバルを分析する「競合分析ツール」
ここからは、これら6つのタイプのWebマーケティングツールについて解説します。
アクセス解析ツールは自社のWebサイトへのアクセス状況の現状を把握するステップで使われるため、順番としてはWebマーケティングにおいて最初に使うツールです。
このステップではWebサイトの閲覧数や流入元などを調べることができるため、自社のサイトの現状を知るためには欠かせないステップとなります。
サイト改善ツールはWebサイトの現状を分析した結果を元に、自社サイトの改善を行うステップにおいて役立ちます。
場合によっては専門知識を伴うこともあるものの、この記事では比較的手をつけやすいツールを数個紹介していくのでチェックしてみましょう。
自社サイトの改善を行った後には、ユーザーのサイト内での動きを分析するステップでヒートマップツールを使います。
ヒートマップツールを使うことのメリットは「実際に自社サイトを訪れてくるユーザーのWeb上の動きをリアルタイムで可視化できる」ことです。
ヒートマップツールでユーザーのサイト内での動きを分析することで、自社サイトの改善すべき箇所が見えてくるのではないでしょうか。
ABテストツールは、ユーザーの動きを分析した上で見込みのありそうな2つ以上の広告・宣伝パターンを用意して比較するステップで使うツールのことを指します。
また、場合によっては「サイト改善ツール」から「ABテストツール」までの3つのステップを反復して行うことも少なくありません。
この場合はトライアンドエラーに基づいた継続的な改善にも繋がるため、自社サイトやWebマーケティング戦略の質も少しずつ向上していくことが期待できます。
Webサイトの改善が一旦終了したら、次は検索エンジン(GoogleやYahoo!など)サイドの最適化を行います。このステップでは、SEOツールを使用します。
SEOは「Search Engine Optimization」の略で、和訳すると「検索エンジン最適化」という意味となる言葉です。
SEOはGoogleアップデートにより変化しやすいので、Webサイトを常に検索上位にキープさせるには継続的な運用保守が大切であることを押さえておきましょう。
競合分析ツールは以上5つのステップの終了後、ライバルとなるサイトを分析して差別化するための戦略を考えるステップで使うツールです。
自社の商品の継続的改善や検索エンジンにおいての最適化のためには、競合となる相手の現状や動向を常に把握することが必要不可欠となります。
ライバルとなる他社の商品やサービスを把握することで、自社製品の明確な強みや他社と差別化できる点を再認識するきっかけにもなるので押さえておきましょう。
以下段落では、これら6タイプのツールをそれぞれ解説します。
代表的なものには以下の3種類があります。それぞれの特徴を見てみましょう。
「Googleアナリティクス」は「Google」が提供しているアクセス解析ツールであり、無料で使用可能な機能が多いことが人気である理由の一つです。
無料の機能の中にはリアルタイムでのデータのチェックやレポートの作成などがあるほか、複数のデータの参照や活用が可能となっていることが強みとなっています。
Webサイトを改善する活動は大きく2つの項目に分かれます。「流入」と「遷移」です。「問い合わせ数」を目標とするコンバージョンに設定した場合、基本的には「サイトに流入する数」か「問い合わせに遷移する数」か、その両方を増やすかの選択しかありません。
Googleアナリティクスはチャネル別流入数だけでなく、どの経由で流入すると「問い合わせ」に到達しやすいのかを分析することができます。
Google社からは、2023年7月1で旧版Googleアナリティクスを廃止するという発表がありました。基本的な機能は新版の「GA4」で引き継がれるため、既存のアカウントを持っている方はデータの移行方法などを把握しておきましょう。
「AIアナリスト」はその名の通りデータ分析にAIを用いていることが特徴で、膨大な量のデータからAIがサイトの改善案を提案してくれることが大きな強みです。
普段私たちが手作業で行っていたレポート作成や目標達成に向けての工数・時期の見積もりなどもAIが行ってくれるため、人手が足りない現場で重宝されるツールといった印象も受けます。
AIアナリストには有料版と無料版があり、使える機能は有料版の方が圧倒的に多いほか、専門知識を伴う機能も多いため初心者にとっては難しいツールかもしれません。無料プランでは「AIによる提案一覧」と「レポート画面」の2つは使えますが、根拠となるデータの確認はできません。
またAIアナリストには実際にWebサイトを改善する機能はないため、データ分析とWebサイト改善に割くリソースについてを組織内で検討することがポイントになっています。
「Adobeアナリティクス」は「PhotoShop」などをリリースしているアドビ社によって提供されているWebマーケティングツールです。
Adobeアナリティクスを使うことでページ別の閲覧回数やKPIへ向けての進捗や貢献度、実際にユーザーがサイトにアクセスしている状況を場所や時間などに分けて分析できます。
Googleアナリティクスとはツール内部の用語が大きく異なることが特徴で、中でもワークスペースやセグメントといった機能は初心者でも使いやすいのでオススメです。
サイト改善ツールは、自社のWebサイトの改善を行う上で役立ちます。
ここからは、2つのツールについてを詳しく解説します。
「PageSpeed Insight」では自社サイトのモバイル端末やPC向けの表示内容や速度についてのパフォーマンスを深掘りして分析することができます。
表示速度に関してはツールの機能である速度スコアを使うことで現状を可視化することが可能で、サイト内のコンテンツについては最適化スコアという機能で分析できます。
PageSpeed InsightにはGoogleが提唱しているアルゴリズムによる評価基準も一定含まれているため、サイト改善と同時に検索エンジン最適化に効果を生み出すことが可能です。
「ONI Tsukkomi」を使うことのメリットは「Webサイトの改善ポイントをツッコミという機能を通して直感的に把握することができる」ことです。
「ツッコミ」の集め方は自社サイトで集める方法と、Oni Tsukkomiに全自動で回収してもらう方法の2種類があります。
この「ツッコミ」で指摘された点を直接改善することによって、サイト内のコンテンツの最適化やUIUXの改善の実現が可能となることがOni Tsukkomiの大きな強みです。
ヒートマップツールとは、自社サイトを訪れるユーザーの動き(流入元やサイト滞在時間など)を分析するツールです。
ここからは、以下2つのツールの特徴やメリット、デメリットを解説します。
「Ptengine」は世界中に15万人以上のユーザーを持つヒートマップツールで、世界的大企業であるマイクロソフトやナイキでも導入されている実績があります。
Ptengineのヒートマップではユーザーの各行動が決められた色で表現されるため、実際に自社サイトを訪れたユーザーがどんな動きをしているかを直感的に捉えることができます。
Ptengineのヒートマップを使うことで、サイト内のよく見られているエリアや離脱の多いポイントなどが可視化されるため、自社サイトの継続的な改善にも非常に役立ちます。
「User Heat」は多くの機能を無料で利用できることが大きな強みであるヒートマップツールの一つであり、
User Heatを使うことで、自社サイトにおけるユーザーのクリックの解析結果、離脱や終了が発生しやすいエリアがどこなのかをダイレクトに分析できるようになります。
またUser HeatはWordPressとの相性も良いため、ホームページの運用経験がない人でも二つを組み合わせることで自社サイトの改善をしやすくなることが特徴です。
Webサイトの改善において「複数のパターンで迷って決めきれない」という悩みがあります。
そんな時に役立つのがABテストツールです。ここからは、以下2つのABテストツールについて解説します。
「Optimizely X」は複数のアイデアを実際に試す際に役に立つABテストツールの一つで、サイト最適化に有効であるABテストが簡単に実施できることが大きな強みです。
Optimizelyを使うことでプログラムを組織全体で管理できるようになるほか、短時間で複数のアイデアのテストを繰り返すことができるため作業工数の短縮にもつながります。
またOptimizelyではリアルタイムのアプリ更新も可能なため、早急に改善が必要となったケースでも複数のアイデアから選ばれた一案をすぐに実現することができます。
「Kaizen PlatForm」はモバイルのUI改善が可能なマーケティングクラウドサービスであり、ABテストにおいても使いやすいツールの一つです。
Kaizen PlatFormではABテストを高速で回すことが可能で、主に2名以上のチームでWebマーケティング戦略を考える際の作業を効率化できる機能が多数存在します。
またKaizen PlatFormでは、グロースハッカー(外注先)からUIデザインのアイデアを募集するクラウドソーシング形式のオープンオファー機能があることも大きな強みです。
ここからは、以下4つのツールについてをそれぞれ解説します。
「ラッコキーワード」はユーザーが実際に検索エンジンで検索したキーワードをABC順、あいうえお順に分けて可視化することができるツールです。
ラッコキーワード内で一つのキーワードを入れて検索することで、その後ろに同時に検索されている複合キーワードは何があるかを調べることが可能になります。
実際にユーザーに検索されているキーワードを把握することで、各年代におけるユーザーの検索ワードの傾向やビジネスのアイデアの算出に繋げることができます。
GoogleサーチコンソールはGoogleが提供しているインターネット検索の分析ツールであり、「ユーザーが自社サイトを訪れるまでの課題」の解決に特化したツールです。
Googleアナリティクスでは「ユーザーのサイト訪問後の状況」を分析するのに対し、Googleサーチコンソールでは「ユーザーの検索結果」をダイレクトに分析します。
Googleサーチコンソールを使うことでユーザーの具体的な検索キーワードや自社サイトの検索順位、他サイトからの流入状況などを分析できることも大きなメリットです。
「SEOチェキ!」は初心者にとっても使いやすいSEOツールの一つであり、ほとんどの機能をワンクリックでお手軽に利用できることが大きな強みです。
自社サイトのURLを入力することで、ホームページの内部の情報やキーワードごとの順位計測などをすることが可能であり、これらの要素は検索エンジン最適化に直結します。
無料版の場合は1つのIPアドレスにつき1日200回までと利用回数に制限があるものの、個人利用ではこの数を超えるケースは基本的にないので安心して利用できます。
ライバルや競合他社との差別化を図る上で役立つ競合分析ツール。
競合となる相手の現状を知ることで、自社サイトやサービスの質向上のための突破口を開きやすくなります。
ここからは、2つの競合分析ツールについて解説します。
「SimilarWeb」は世界規模で競合他社の分析ができるツールであり、多くの機能を無料で使用することができるため多くのマーケターに重宝されています。
SimilarWebでは競合他社のサイトにおけるアクセス状況の概要や検索のトラフィック、訪問ユーザーの属性やディスプレイ広告などの現状を一気に分析することが可能です。
「eMark+」は自社サイトと競合他社のサイトにおけるアクセス数や現状、ユーザーの性別や年齢層などを比較しながら分析することのできるツールです。
eMark+を使うことで国内の主要サイト・アプリのユーザー数やPV数、訪問者属性、流入元やその検索ワードといった要素をブラウザ上で確認できます。
中でも基本と言われているのがWebサイトのトラフィック。このポイントをダイレクトに分析することで、自社サイトの改善やSEO方面の施策を行いやすくなります。
上記で紹介したWEBマーケティングツールを使うにあたっては、正しい手順を踏むことが必要不可欠です。
ここからは、それぞれのステップで押さえておきたいポイントを解説します。
Webマーケティングを始めるにあたって、まずは明確な目的を決めることが必要不可欠です。
この目的によって具体的な戦略やそれぞれのステップで使うツールを決めることになるため、最初の目的設定が曖昧だと後戻りを繰り返すことになりかねません。
また目的だけでなく、「何を目指すか」という短期的・長期的な目標を具体的な数値を用いて準備しておくことも欠かせないステップです。
Webマーケティングのポイントは起承転結であるため、最初のスタートとゴールによって達成までのステップや各段階におけるツールなどが決まることを押さえておきましょう。
Webマーケティングを行う目的やゴールが定まったら、次は現状を知って問題点を改善するためのステップに移ります。
「Goofleアナリティクス」や「AIアナリスト」を使って自社サイトの閲覧数を可視化し、更にユーザーの流入経路などを分析することがポイントです。
自社サイトの現状を可視化することで、自社サイトの「伸び代」はどこにあるかをしっかり把握しましょう。
自社サイトの分析及び改善点の特定が終わったら、次に来るのは実際にサイトを改善するステップです。
上記段落で紹介した「PageSpeed Insight」ではページの読み込み速度を分析したり、「ONI Tsukkomi(鬼ツッコミ)」では自社サイトの弱みとなる部分を可視化することが出来ます。
Webサイトの一部を改善するたびに生じる変化を見たい時には、ヒートマップツールやABテストツールをうまく組み合わせて使ってみましょう。
複数のパターンやそれにおけるユーザーの動向を分析することで、「どのアイデアが一番プラスの影響が大きいか」をダイレクトに反映させることができます。
自社サイトの改善が一通り終了したら、次はサイトの検索エンジン最適化を行います。
「Googleサーチコンソール」で検索順位を把握したり、「ラッコキーワード」を使ってより多くのユーザーに検索されているキーワードを洗い出したりするステップです。
SEOのアルゴリズムは一般非公開となっているものの、以下の要素などが該当するとされています。
・サイトのタイトル
・キーワードの出現率
・モバイルレスポンシブ対応
・サイト内コンテンツの質
SEOは専門知識を伴う場合も多いため、検索エンジン最適化のステップを無難にこなすのは簡単ではありません。
しかし、「WordPress」のように予めSEOに強いと言われているフレームワークも存在するため、自社サイトのドメインを選ぶ際には参考にしておきましょう。
Webマーケティングは一度成功したり、成果を出しただけで終わるものではありません。
自社サイトの検索順位や良質なコンテンツを長期的に保つためには、サイト内外における継続的な運用保守を行うことが必要不可欠です。
継続的改善はPDCAサイクルの「Action」の部分にもあたり、場合によってはこの記事で紹介したツールをピンポイントで再度使う可能性も高くなります。
検索順位の変化状況や競合分析、売上に伴う予算の変更などの要素によって自社サイトの運用体系を臨機応変に対応させることを心掛けておきましょう。
「知っておきたいWebマーケティングのツール」について解説しました。
Webマーケティングツールは6つのタイプそれぞれに明確な役割があり、同じ役割のツール同士でも重宝されている業界やシーンが大きく異なることも珍しくありません。
しかし、Webマーケティングツールは完成物ではなくあくまで「手段」です。Webマーケティングを行う上では具体的かつ明確なスタートとゴールに加え、長期的に頭や手を動かす継続力や忍耐力があって初めてこれらのツールが活きてくるのです。
Webマーケティングを行う過程において、スタートからゴールへ向けての一本道には様々なステージが存在します。各ステージにおいて役に立つツールを知っているのといないのでは、かける時間や労力も大きく変わってきます。
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