2022.06.08

成果を出すLINEの配信方法は? ユーザーの共感を得るポイントを紹介

LINE公式アカウントでは、友だちとしてつながっているユーザーに対してコンテンツを配信することができます。企業から一方的に広告を流すマスマーケティングが見直され、顧客の趣味嗜好に合わせたOne to Oneマーケティングが主流になりつつあります。LINEマーケティングはその核に位置づけられるものです。

ファンを増やすためには密接なコミュニケーションが欠かせず、定期的なLINE配信はブランドやサービスへの選好度を上げる手法として欠かせません。

ただし、闇雲にコンテンツを配信しても成果は出にくいもの。LINE配信にはコツやノウハウがあります。この記事では、LINE配信を成功に導くためのパターンやステップを解説します。

1.LINE公式アカウントの基礎知識

LINEマーケティングで重要なのは、顧客生涯価値であるLTVを高めることにあります。顧客とのコミュニケーションを重ね、サービスへの理解度を深めて購入頻度や来店頻度を高めるのです。

LINE公式アカウントは様々な機能があります。顧客やサービスの特性に合わせ、LINEマーケティングの戦略を立てることが重要です。主な機能に以下のようなものがあります。

【LINE公式アカウントの主な機能】

・LINE配信

・LINEポイント

・LINEプロモーションスタンプ

・LINE広告ネットワーク

・LINEチラシ

・LINEで応募

LINE公式アカウントのメッセージ配信では、テキスト形式のコンテンツ以外にも、クーポンやスタンプ、画像、動画、ボイスメッセージ、アンケート(リサーチ)などを配信することができます。

ユーザーの多くは”お得な情報”を期待してLINE公式アカウントの友だちになっており、クーポンや、キャンペーンのお知らせ、新商品の紹介といったコンテンツを定期的に配信することが重要です。

ただし、過剰に配信するとブロックされてしまいます。LINEでは最適なメッセージ配信数の目安として、月2~4回を推奨しています。クーポンなどへの反応率、ブロック率を加味しながら最適な配信頻度を見極めてください。

2.配信に必要な料金

LINE公式アカウントのアカウント開設や、1,000通までのメッセージ配信に対して費用は発生しません。

ただし、一定の配信数に対して料金がかかる従量課金制を設けています

【LINE公式アカウント料金設定】

フリープランライトプランスタンダードプラン
月額固定費無料5,000円15,000円
無料メッセージ通数1,000通15,000通45,000通
追加メッセージ料金不可5円~3円

「料金プラン」より

プランは途中で乗り換えることが可能です。

課金額のシミュレーション

手軽なプランであるライトプランで、ランニングコストと従量課金で合計いくらになるのかシミュレーションします。

月の配信数を4回、ブロック率が5.0%で一定だった場合を想定します。

友だち数が4,000に達するまでは、追加メッセージの料金は発生しません。月5,000円で配信可能です。4,000を超えると、月の金額は6,000円。5,000で25,000円、6,000で44,000円となります。

【ライトプランの金額】

月間配信数:4回

ブロック率:5.0%

友だち数1,0002,0003,0004,0005,0006,000
月間配信数4,0008,00012,00016,00020,00024,000
賞味月間配信数3,8007,60011,40015,20019,00022,800
ライトプラン¥5,000¥5,000¥5,000¥6,000¥25,000¥44,000

投資対効果を鑑みて、配信数を絞り込むなどの工夫が必要です。

3.配信メッセージの種類

配信メッセージの種類について解説します。

基本的な考え方として、LINE配信3吹き出しに対して1配信という数え方になります。先ほどのシミュレーションは、3吹き出し1配信と考えてください。

通常メッセージ

LINE配信のメッセージは、通常メッセージとリッチメッセージの大きく2つに分けられます。まず、通常メッセージで配信できる内容を説明します。

テキスト

友だちになっているアカウントに直接メッセージを送ります。テキストを使う場合も3吹き出しを効果的に活用してください。

例えば、新商品の紹介であればテキストで特徴の理解促進、画像でビジュアルイメージの植え付け、スタンプで好印象の醸成といった効果が期待できます。

LINEはフォロー・フォロワーの関係を”友だち”と呼んでいる通り、砕けた表現が好まれます。友人や仲間、家族とコミュニケーションをとる感覚でメッセージを書くと良いかもしれません。

スタンプ

スタンプはクッションのような役割を担っています。多くのユーザーはLINEのコミュニケーションに慣れており、テキストだけのメッセージを送る人は稀です。テキストを送った上で、スタンプによる気持ちの表現を行っています。

LINE配信はメルマガとは別物ととらえてください。普段、LINEで行うメッセージを踏襲し、企業と個人の垣根を取り払うイメージでコミュニケーションをとります。スタンプも送る側の気持ちを伝えるつもりで使うと効果的です。

テキスト、スタンプともに親しみやすさを重視してください。

画像

LINE配信はリッチメッセージを送ることができますが、通常の写真や画像を送ることもできます。通常の画像や写真はリッチメッセージよりも小さめに表示され、指先で拡大することが可能です。

QRコードを送る場合や、チラシのように詳細な情報が掲載されているものは、通常の画像として送るとユーザーが操作しやすいでしょう。

クーポン

LINE公式アカウントには、クーポンを自由に作成する機能がついています。1,000円割引、〇〇無料といったクーポンが作れます。有効期限、回数制限、抽選確率などの設定も行えるため、発行したいクーポンはLINE内でほぼ完結できると言えるでしょう。

クーポンは集客、購買力に効果的なため、プッシュ通知での配信が効果的です。しかし、ばら撒きはしたくないという考えもあります。その場合はアンケート機能を利用し、回答者に対してクーポンを配信する形が最適かもしれません。

LINE公式アカウントは機能が多く、組み合わせで活用することで複合的な効果を生みます。

動画

リッチビデオメッセージ以外の動画配信方法は大きく2つあります。

・動画をメッセージに配信

・動画のURLを配信

LINEでは、動画を以下の形式で配信できます。

・ファイル形式:MP4、M4V、MOV、AVI、WMV

・ファイルサイズ:200MB以下

動画を配信すると、タイムライン上で自動再生されます。動画は拡大表示が可能です。

YouTubeチャンネルなどへと誘導したい場合や、容量が足らない場合はURLを貼り付けて誘導するのが良いでしょう。LINE上ではサムネイルが自動的に表示されるため、ユーザーの興味を引く形で配信されます。

ただし、自動再生されるわけではないため、閲覧回数には差が生じます。

ボイスメッセージ

音声ファイルは以下の形式で配信できます。

・ファイル形式:WAV、MP3、M4A、AAC、OGG

・ファイルサイズ:200MB以下

アンケート

アンケートを作成して配信することも可能です。商品やサービスの満足度を調査したり、改善点を洗い出すのに役立つ機能です。

ただし、未認証アカウントでは自由記述形式の質問を作ることができません。また、回答者と回答内容を結びつけることもできません。
※未承認アカウントとは?:LINE公式アカウントはLINEの審査を通過した「認証済アカウント」と個人や法人を問わず審査なしで作成できる「未認証アカウント」に分かれます。「認証済アカウント」は青色の認証バッジが付与されます。

リッチメッセージ

リッチメッセージは、簡潔に商品やサービスの魅力を伝えられるもので、画像や動画とテキスト情報を1つの吹き出しにまとめて配信できるものです。

配信内容がユーザーの興味関心を引き、リンクへの誘導率が高まるというメリットがあります。

「リッチメッセージの活用法」より

リッチメッセージにはテンプレートが8種類用意されており、最大6分割での表示が可能です。テキスト一辺倒ではユーザーに読まれることなく離脱を招くこともありますが、ビジュアル重視のリッチメッセージは一目で多くの情報を届けることができます。

アクションはWebページへの遷移とクーポンから選ぶことができ、配信する目的に合わせて設計することが可能です。分割されたテンプレートのエリアごとに異なるリンクの設定ができます。

画像はテンプレートに合わせたサイズを用意する必要があります。各テンプレートごとの画像サイズは以下の通りです。

「リッチメッセージの活用法」より

注意したいのは、登録できる画像が1枚であること。例えば4枠のテンプレートを使用する場合、「520px×520px」の画像4枚を組み合わせた画像「1040px×1040px」を作成する必要があります。

ファイル形式、画像サイズ、ファイルサイズは以下の通りです。

・ファイル形式:JPG、JPEG、PNG

・画像サイズ:1040px×1040px

・ファイルサイズ:10MB以下

4.効果的な配信を行うポイント

LINE配信を行う際は注意したいポイントが4つあります。

・配信時間

・配信頻度

・初回配信の内容

・効果的なコンテンツの作成

それぞれについて詳しく解説します。

配信時間

ユーザーがメッセージを見るのは、仕事や学校の空き時間が大半です。人によって見る時間は異なりますが、傾向はあります。LINEはグルメ・フードカテゴリのLINE公式アカウント時間別投稿の情報を公開しています。

それによると、10時~12時・16時~18時に投稿のピークがあります。

「リッチメッセージの活用法」より

曜日別で見ると、金曜日が最も多くなっています。

このデータから、ランチ時間の前と週末を迎える前に配信しているアカウントが多いことになります。

業態や業種、サービスによって傾向は異なります。競合となるLINE公式アカウントと友だちになり、配信時間や配信内容を確認するというのも賢いやり方の一つです。

配信頻度

プッシュ型のメッセージ配信は最低月に1回、月に2~4回が目安と言われています。タイムラインへの投稿は最低週に1回、週に1~3回が目安です。

メッセージ配信は伝達率が高い一方、ブロック率も高まるリスクがあります。タイムラインへの投稿は伝達率は弱いものの、ブロック率が高まることはほとんどありません。

初回配信の内容

意外と見落としがちなのが、初回配信の内容です。友だちになったユーザーに対して、初めて配信するコンテンツであり、全員が目にすることになります。初回配信の内容が長くつながるかどうかを判断する材料の一つになることは間違いありません。

LINE公式アカウントでは、どのような情報を発信するのかを最初に明らかにすることが重要です。また、ブロック率を低下させるため、プッシュ通知をOFFにする方法を案内することもおすすめします。

基本となる考え方は、LINE公式アカウントでしか得ることができないリピーター向けの情報、クーポンなどを盛り込むということです。友だちになり、継続するメリットが得られるという期待感を持たせるようにしてください。

効果的なコンテンツの作成

配信する画像は一目で見て、どのような情報なのかが明確に伝わるように工夫しましょう。伝えたいという思いが強すぎて、何を訴えようとしているのかわからない内容になってしまうことがあります。

「リッチメッセージの活用法」より

LINEのメッセージは簡潔であることが最重要です。

5.配信の方法

メッセージの配信方法を解説します。

通常メッセージ

「メッセージ配信」メニューの「メッセージを作成」を選択。

「メッセージ配信を作成する」より

配信先や配信日時などを設定します。配信メッセージの形式を選択し、テキストや画像などを挿入します。

左下の「+追加」ボタンを押すと吹き出しが追加されます。

下書きは1,000件まで保存可能です。配信前にはテスト配信を行うことをおすすめします。テスト配信を選択すると、管理者および運用担当者のうちLINEに連携したアカウントにのみ配信されます。

リッチメッセージ

左サイドバーの「リッチメッセージ」を選択し、「作成」をクリックします。

「リッチメッセージの活用法」より


リッチメッセージの新規作成画面が表示されたら、タイトルを入力し、「メッセージ設定」からテンプレートを選択してください。

「リッチメッセージの活用法」より

「アクション」ではWebページへの遷移か、LINE公式アカウント内のクーポンページへの遷移かのどちらかが選べます。

メッセージを配信する際は、「通常メッセージ」と同様に進め、テキストなどを入力するブロックで「リッチメッセージ」アイコンをクリックします。作成済みのリッチメッセージを選択してください。

6.配信で成果を出すためのポイント

LINE公式アカウントの配信は手法であり、目的ではないことを理解しましょう。LINE公式アカウントを活用して何がしたいのかを見定め、それを実現する手段としてメッセージ配信を行います。

LINE公式アカウントの運用で成果を出すためには、ステップが存在します。一つひとつ解説します。

LINE公式アカウントを運用する目的と目標を明確にする

まずは運用する目的を明確にしてください。飲食店や小売店であれば集客を目的とするケースがほとんどです。その際、目的を集客とするのではなく、リピーターあるいはファンを作るなどともう一段細かくすることが重要です。

リピーター数を多くすることを目的とするのであれば、客数に対するリピーター割合が最重要KPIとなります。

LTVを軸としたKPIを設定する

LINE公式アカウントは新規集客にはつながりにくく、どちらかというとリピーターやファンを醸成するのに役立つツールです。LINE公式アカウントを運用する上で、よく重視される指標にLTVがあります。

LTVとは顧客生涯価値を表し、顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益のことです。ラーメン好きの顧客Aがいたとして、店舗Bを月2回利用しているとします。顧客Aはラーメン店を月平均15回利用しており、店舗Bの利用頻度を高めるポテンシャルを持っていたとします。

店舗BはLINE公式アカウントでクーポンを定期的に発行、ポイントカードも使うようになり、顧客Aが月4回利用するようになりました。

月4回の利用が継続すれば、店舗Bは集客力が高まります。これがLTVのベースとなる考え方です。

友だち数は利用頻度を高めるポテンシャルを持った顧客の母数を示します。KPIを組んでPDCAを回す際、こうした考え方は極めて有用です。

成果に時間がかかることを把握しておく

LINE公式アカウントに限らず、Webマーケティング全般に言えることですが、成果が出るまでに時間がかかることがほとんどです。これは友だちの獲得に時間がかかり、運用者の知識やスキルの獲得にも時間を要するためです。

決済者は即効性を求めますが、そう簡単に成果が出ないことを事前に説明しましょう。その説得材料として目的やKPIが役立ちます。何のために運用するのか、将来的にどの程度の効果を生むのかを説明できれば、中途半端にやめてしまうことにはなりません。

チームを組んでタスクの負担を軽減する

LINE公式アカウントの運用を一人で抱え込まないようにすることも重要です。世の中には様々なSNSが溢れており、あらゆるアカウントを一人で運用しているパターンも少なくありません。

やがて投稿や配信に手が回らず、長期間放置されてしまうこともあります。

LINE公式アカウントを含めたSNSは優れた企画、それを的確に表現する文章力、画像で伝える撮影・加工技術、成果を出すための分析力など、多方面のスキルが必要です。得意分野を人に分散した方が効率的です。

定期的に数値を交えた振り返りを行う

「月初めの水曜日10時に前月のLINE公式アカウントの振り返りミーティングを行う」など、強制的に振り返りの時間を入れることをおすすめします。

漫然と運用しても成果にはつながりません。どのような投稿の反応が良かったか、何をすれば友だちが増えたのか、ブロック率が増えたのはなぜなのか。そうしたことを数値、投稿内容などに照らし合わせて意見を出し、次の投稿につなげることが重要です。

数%の改善が大きな成果につながることを周知する

ブロック率を3%から2.8%に低減した、クーポンの利用率を5%から5.5%に改善したなど、LINE公式アカウントは小さな数字を改善する活動の繰り返しです。

ホームラン級の改善効果は望めないと心得て、確実にヒットを飛ばす感覚を重視してください。これはWebマーケティング全般に言えることです。

7.LINEの配信でLTVを最大化する

LINE公式アカウントはリピーター施策に効果的なツールです。規模の大きな企業は自社でアプリを開発していますが、機能面ではLINE公式アカウントと同様のものであることがほとんどです。

LINE配信はユーザーとのコミュニケーションを活発化するものであり、運用の中核を担っています。まずは基本的な投稿を繰り返し、成果の高いパターンを見つけ出してください。

INFLUはLINEなどのWebマーケティングを専門で行う会社です。LINE公式アカウントの運用サポートだけでなく、課題を抽出したうえで戦略設計や目標設定も行っています。組織が抱える課題をヒアリングし、Webマーケティング全体の戦略構築支援も可能です。

Webに関してお困りごとがあれば、ぜひご相談ください。