「コミュニティマーケティングって実際どうなの?
「コミュニティマーケティングをしてみたいけど、何から始めたらよいかわからない」
マーケティング関連の業務を行っている人の中にも、このような疑問や悩みを持つ人は数多く存在します。
この記事ではコミュニティマーケティングの目的やメリット、種類や実際の流れを解説するとともに、実際の企業の成功事例も紹介します。
「コミュニティマーケティングを通じて自社商品・サービスをもっと広めたい」と考えている皆さんは是非、この記事を参考にしてください。
目次
コミュニティマーケティングとは「ユーザー同士のコミュニティを活用したマーケティング手法」を指し、目的は大きく分けて以下の3つがあります。
・顧客のロイヤルティ(NPS) の向上
・LTVの向上
・顧客同時のリファラル(紹介)が生まれる仕組み作り
以下段落では、それぞれの目的について深掘りして解説します。
コミュニティマーケティングの一つ目の目的は、自社商品・サービスに対しての顧客のロイヤルティ(NPS) を向上させることです。
NPSとは「ネット・プロモーター・スコア」のことを指し、顧客の企業の提供している商品やサービス、プロダクトに対する信頼や愛着のことを指します。
NPSは顧客満足度とは違い、「自分の満足度よりも他人に勧めたいか」というポイントが重要視されていることが特徴です。
商品やサービスに心から関心を持ち、他人に自信を持って勧めてくれるファンのコミュニティを形成するためにも、ロイヤルティの高い顧客を増やす取り組みは必須となります。
コミュニティマーケティングの二つ目の目的は、LTVを向上させることです。
LTVとはLife Time Value(ライフタイムバリュー)の略語であり、日本語では顧客生涯価値とも訳されます。
LTVを向上させるためには、「自社商品やサービスが顧客の一生においてどれだけの価値を産み出せるか」というポイントにフォーカスして考えることがポイントです。
顧客の人生のパートナーとしての役割を担える商品やサービスを通して価値を提供することで、長期的なファンを増やしてコミュニティを形成しやすくなります。
コミュニティマーケティングの三つ目の目的は、自社スタッフのいないところで顧客同時のリファラル(紹介)が生まれる仕組みを作ることです。
これはコミュニティマーケティングを行う上での一つ目のゴールとなるポイントでもあり、「自社スタッフが手を動かさなくても商品が売れる仕組み」の構築に直結します。
顧客同士が自社のスタッフのいないところで商品やサービスを広め合い、ファンやフォロワーの増加や商品やサービスの知名度向上に繋がる仕組みを作りましょう。
コミュニティマーケティングには、以下のようなメリットがあります。
・長期的なファンの獲得に繋がりやすい
・企業全体の知名度や顧客単価の向上に繋がりやすい
・顧客の生の声を聞くことができる
これら3つのメリットについてそれぞれ見ていきましょう。
コミュニティマーケティングの一つ目のメリットは、長期的なファンの獲得に繋がりやすいことです。
コミュニティの会員となる顧客は少なくとも自社商品・サービスに愛着があり、同時に今後の動向にも注目しています。
自社からのアナウンスだけでなく、顧客同士が商品やサービスの話題で盛り上がるコミュニティを作ることで、より多くの人たちを集めてファン同士の輪を作っていきましょう。
コミュニティマーケティングの二つ目のメリットは、企業全体の知名度や顧客単価の向上に直結する取り組みをしやすいことです。
自社商品やサービスに興味関心を持つ顧客同士の交流が増えると、同時にSNS上での話題やGoogleの口コミも増え、これが新たな見込み顧客に向けての宣伝効果になります。
この流れによって企業全体の知名度が向上し、より多くの人々を引き寄せることでコミュニティ自体も大きくなり、やがては顧客単価や全体の売り上げの向上に直結するのです。
コミュニティマーケティングの三つ目のメリットは、顧客の生の声を聞けることです。
企業のスタッフはコミュニティの運営者となり、顧客同士の交流や自社へ向けての要望を把握することや、顧客に向けてのサポート体制を充実させることがカギとなります。
「もっと〇〇をこうして欲しい」などの顧客の生の声を聞くことはコミュニティだけでなく、自社商品やサービス自体の継続的改善にも繋がることがポイントです。
コミュニティマーケティングには様々な方法があり、中でも代表的なものとして以下4種類が挙げられます。
・コミュニティサイト
・オンラインサロン
・SNSの活用
・オフラインイベントの開催
以下では、これら4つのコミュニティマーケティングの方法について詳しく解説します。
コミュニティマーケティングの一つ目の方法は、コミュニティサイトを運営することです。
コミュニティサイトとは、顧客同士が情報交換や交流を行う場所の役割を担うWebサイトのことを指し、代表的なものとして以下の4種類が挙げられます。
・口コミ機能を持つブログ
・オンラインチャット機能を持つファンサイト
・顧客側からもコンテンツを公開できる投稿・共有サイト
コミュニティサイトの運営を通して顧客同士のやり取り内容を見える化し、新たな取り組みのアイデアや既存の問題の解決に繋げていきましょう。
コミュニティマーケティングの二つ目の方法は、会員限定のオンラインサロンの運営を行うことです。
オンラインサロンの運営を行う際には定額制(サブスクリプション)の会員限定サービスを導入し、顧客に対して以下のような価値を提供することを心がけましょう。
・クーポンや商品券の配布
・一般非公開の情報やコンテンツの配布
・既存会員と新規会員双方が得するお友達紹介制度
またオンラインサロンの解説後は自社側から一方的にアクションを起こすだけでなく、顧客同士が実際に繋がる場の提供方法を考えることも欠かせないステップです。
コミュニティマーケティングの三つ目の方法は、企業の公式アカウントなどのSNS運用を行うことです。
TwitterやLINE公式アカウントなどのSNS上で商品やサービスについての情報を発信し、アプリ上のユーザーや会員にとって話題性のある取り組みを行うことがポイントです。
その際には自社商品やサービスに関連性のあるハッシュタグの作成や宣伝を行うことで、ファンやユーザー同士の距離を近づけやすくなります。
SNSの運用やマーケティングについては、以下の記事も参考にしてみましょう。
SNSマーケティングに将来性はある?今後の需要について解説!
コミュニティマーケティングの一つ目の方法は、オンラインだけでなく対面式のイベントも定期的に開催することです。
コミュニティ内で会員限定のセミナーや交流会などを開催し、顧客とのやりとりを対面で行うことによって、オンラインでは相談しにくい悩みや要望を直接ヒアリングできます。
またオフラインのイベントを行うことは会員同士の出会いにも繋がりやすいため、顧客同士が友好な関係を築く場の提供を心がけましょう。
コミュニティマーケティングを実際に行うにあたっては、以下のステップを順々に行うことが必要不可欠です。
それぞれのステップには明確な目的が存在します。以下段落での解説に一度目を通してみましょう。
コミュニティマーケティングを行う上での最初のステップは、「コミュニティを通して何を実現したいか」という目標を明確にし、チームのメンバーに共有することです。
コミュニティマーケティングは単に数多くの人を集めて終わりではありません。コミュニティを通して何をしたいのかを、以下のテンプレートを参考にして考えましょう。
・自社商品・サービスの知名度を向上させたいのか
・自社商品・サービスの売上額を成長させたいのか
・自社の運営するSNSやサイトの会員数・フォロワーを増やしたいのか
コミュニティマーケティングを行う大まかな目的が決まったら、次はその目的を数値化した目標に落とし込むことが必要不可欠です。
この目標値はKPIとも呼ばれ、マーケティングを行うにあたって明確なゴールから逆算した取り組みや施策を考える上で大切な要素となります。
コミュニティマーケティングを行う目標が定まったら、次はそこから逆算して最適な施策を選ぶことです。
実際に行う施策の内容や方向性を考えるにあたっては、上記段落で解説した方法を以下のような形で活用することがポイントです。
・コミュニティサイトを通じて既存顧客の囲い込み・新規顧客の獲得を図る
・オンラインサロンを通じて会員限定のプラットフォームを作る
・SNS運用を通してフォロワーの数を増やす
・オフラインイベントを通して顧客同士の出会いの場を提供する
どの施策が最適かを判断しづらい時は、自社の状況においてこれら4つの施策の中で最も優先度の高い項目にマッチしたものから実践することも一つの選択肢となります。
コミュニティマーケティングの施策が決まったら、次はその施策の実現に向けての準備を行うステップとなります。
このステップの目的は「顧客を会員として落とし込む場所」を実際に作成することであり、ツールを活用してコミュニティとなるプラットフォームを構築します。
コミュニティサイトやオンラインサロンの作成には、WordPressやWixといったプログラミング等の専門知識を必要としないサービスを活用することがおすすめです。
SNSアカウントは比較的簡単に作れるため、ある程度以上のフォロワーが増えてきたときにはオフラインのイベントの宣伝ができるよう準備しておきましょう。
コミュニティの土台が完成したら、次は実際に人を呼び込むステップとなります。
コミュニティの作成当初はWeb広告の作成や関連する内容に興味があSNSアカウントのフォローなど、アナログで地道な作業が必要になることは避けられません。
予算に余裕がある場合や短期間で人を集めたい場合は、以下のような施策を実施することも選択肢となります。
・インフルエンサーを起用ファンの集団をコミュニティに取り込む
・企業のイメージキャラクターを使ってファンを増やす
・動画や記事などのコンテンツを大量に作成して大きな媒体を作る
顧客同士のコミュニティを拡大するには、SNSや検索エンジンなどの流入経路を把握した上で、見込み顧客の興味を引くための最適な施策は何かを考えることが必要不可欠です。
コミュニティの運営が本格的にスタートしたあとは、会員やメンバーである顧客の反応や口コミを元に、定期的に施策を見直すことが必要不可欠となります。
このステップではコミュニティの会員数や売り上げを監視するだけでなく、アンケートやアイデア募集など顧客の生の声を聞くための取り組みを実施することがポイントです。
顧客の生の声やアイデアを把握することは自社商品・サービス自体の継続的改善に役立つため、施策やコミュニティの稼働状況の見直しを定期的に行っていきましょう。
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コミュニティマーケティングを行うにあたって、注意しておきたいのが以下3つのポイントです。
・万人に好かれようとしない
・競合他社の批判をしない
・収益体制や実績を定期的に見直す
これらのポイントを軽視してしまうとファン同士の悪い噂や評判に繋がり、やがては悪い意味でコミュニティ自体の知名度が上がってしまう原因になりかねません。
それぞれのポイントについて詳しくみていきましょう。
コミュニティマーケティングを行う上での一つ目の注意点は、万人に好かれようとしないことです。
どんなに優良なサービスやファンの多い著名人でも、SNS上で一定数からの批判やマイナスな口コミを掲載されてしまうことは避けられません。
コミュニティマーケティングを行う際は、「マイナス要素をゼロにする」よりも「ロイヤルティの高い顧客にフォーカスしてプラス要素をより増やす」ことを心がけましょう。
コミュニティマーケティングを行う上での二つ目の注意点は、ライバルとなる競合他社の商品やサービスを批判してはいけないことです。
顧客に対して競合他社の商品やサービスの批判をすることは信ぴょう性の低い情報の提供だけでなく、自社自体のイメージダウンにも繋がります。
コミュニティの宣伝を行う際には他社商品・サービスの良いところを認めた上で、自社商品・サービスならではの強みを使って差別化するポイントを考えることがポイントです。
コミュニティマーケティングを行う上での三つ目の注意点は、収益状況やコミュニティの運営体制を定期的に見直すことです。
中でも有料会員の会費やイベント参加費などの情報に関しては、会員や参加者が増えるにつれて不満や要望が出やすいポイントとなります。
顧客同士で「価格と内容が見合わない」という意見を溢れさせないためにも、オフラインイベントやアンケートを通して定期的に顧客に向けてのヒアリングを行いましょう。
コミュニティマーケティングの企業の成功事例として、以下3社の取り組みが代表例として挙げられます。
・スノーピーク
・MVNO
・Salesforce
それぞれの企業が取り組んでいるコミュニティマーケティングの内容を見ていきましょう。
アウトドアやアパレル製品の開発や製造、販売を行うスノーピーク株式会社では、90年代後半から現代においてそれぞれの時代のニーズに沿ったコミュニティを展開しています。
スノーピーク株式会社は90年代後半に「Snow Peak Way」というオンラインキャンプイベントを開催し、ファンとの接点や交流の場を展開しました。
2019年には自社商品やサービスにおける年間の消費額が基準を上回る会員を対象としたイベントも複数回開催しており、顧客ロイヤルティの向上への取り組みに成功しています。
スノーピーク株式会社はFaceBook上でも「Snow Peak コミュニティ」というアウトドアファン向けのコミュニティを運営していることも特徴です。
2022年7月時点でその会員数は約1.3万人に登り、顧客がアウトドアやレジャーを楽しむ姿を投稿し合う場を提供することに成功しています。
格安SIMを提供するmineoは、顧客や自社のスタッフが看板商品のMVNOに関する交流を促進するための取り組みとして、「マイネ王」というサイトを運用しています。
コミュニティサイトの一つであるブログからスタートしたマイネ王は、ユーザーコメント機能のついた今では顧客と自社スタッフのやり取りの場となっていることが特徴です。
mineoはユーザーからの意見や悩みだけでなく、機能面や新規サービスなどのアイデア案を取り入れることで、長期的なファンとなる顧客を増やし続けています。
企業におけるマーケティングの支援を総合的に行う企業として有名なSalesforceは、「Trailblazer Community」(トレイルブレイザーコミュニティ)というオンラインコミュニティを運用しています。
このコミュニティは「ユーザーが自ら学び、課題解決の能力をつけること」を目的に立ち上げられ、2022年7月時点で全世界で200万人以上の会員が存在します。
「Salesforceというツールをどう活用するか」を初心者から上級者までが共に考え、助け合うコミュニティの活性化によって、利用者やファンを絶えず増加させる仕組みであることがTrailblazer Communityの最大の特徴です。
今回は、コミュニティマーケティングのメリットや方法、実施手順や注意点についてを企業の成功事例を踏まえて解説しました。
コミュニティマーケティングの最大のポイントは「いかにしてファン同士が交流を深める場を作り、価値の高い顧客同士が商品やサービスを広め合う仕組みを生み出すか」です。
ロイヤルティの高い顧客を増やすには、商品やサービスの価格や機能面だけでなく、いちファンとして居心地の良いコミュニティを形成することが必要不可欠となります。
企業のスタッフはコミュニティの主という立場に立ち、会員であるお客様同士が自社商品やサービスについての理解や取り組みを深められる仕組みを考えていきましょう。
株式会社INFLUには、コミュニティマーケティングの領域に特化したプロのスタッフが揃っており、集客サービスの提供やマーケティングスクールの運営を行っております。
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