「ABテストを行う際、具体的にどうやってやればいいの?」
「ABテストではどういったポイントを意識すればいいんだろう」
このように考えている担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ABテストは一筋縄ではいきませんが、コツや流れを押さえておくことで成功率がアップしやすくなります。
そこで今回の記事では、ABテストを行う際の手順を5ステップに分けて解説します。
強く意識すべきポイントや、参考にしやすい成功事例もあるのでマーケティング担当者にとって必見の内容です。
目次
ABテストとはAパターン、Bパターンを作成しランダムにユーザーに表示し、成果を比べる手法を指します。
特に広告のバナーや文章、Webサイトを最適化する際に用いられることが多い手法です。
成果を比較して一番良かったパターンを採用することで、広告やWebサイトのクリック率やコンバージョン率の改善が期待できます。
ABテストという名称になっていますが、3パターン以上で比較される場合もあります。
ABテストを行うことで成果が出るパターンも把握できるので、テスト結果が後の施策にも活かされるのがメリットです。
ABテストでは、以下の4つのポイントを必ず押さえておきましょう。
これらのポイントを外してしまうと、ABテストで失敗するリスクが高まってしまうので注意が必要です。
ABテストを行う場合は、同時期に検証しないと正しい比較が行えません。
時期をずらしてテストを行ってしまうと、時期によるユーザーの流入経路や行動の動機などが変わってしまうからです。
そのほかにも競合の状況、テレビやSNSでの話題、経済状況などでも流入の度合いが大きく変わってしまうことがあります。
正確なデータを得るためにも、ABテストを行う場合は同時期に実施しましょう。
ABテストでは、新しいものが必ずしも良い結果をもたらすとは限りません。
このようにABテストを行って、逆に成果が落ちてしまう場合もあるので注意が必要です。
一方でLPやホームページをリニューアルした時でも、同様の現象が起きるケースがあります。
まるごとリニューアルするよりも、ABテストの方がコストがかからないので、まずはABテストで細かく改善を行っていきましょう。
もし、ABテストを行うWebサイトのユーザー数やコンバージョンが少ない場合は、一定以上のユーザーを必ず確保しましょう。
あまりにサンプル数が少ないと、ABテストを行っても信憑性の低いデータになってしまいます。
開設したばかりのWebサイトであれば、まずは集客を行い十分に母数が集まってからABテストを実施しましょう。
ABテストを行った後は、テスト結果を見て必ず検証しましょう。
当初の仮説と比べてどこがズレたのか、どうすれば改善できたのか調べることが重要です。
テスト結果を振り返って検証することで、課題を絞り込める上に改善点が発見しやすくなります。
ABテストは1度で終わるものではないので継続的に改善を図り、広告やWebサイトで高い成果を出せるようにしましょう。
ABテストを行う際は、以下の5つのステップで行うと実行しやすいです。
ここからはそれぞれの手順について、じっくり解説していきます。
効果のあるABテストを実現させたいのであれば、明確な目標を持ちましょう。
コンバージョンを上げたい、認知を拡大させたいなど何を目的としているのか明確にすると改善策が浮かびやすくなります。
また、一度に多くの部分を改善しようとすると、どの部分が原因で改善できたのか分かりません。
改善する箇所を絞るとさらに効果が分かりやすくなるため、ABテストを行う場合は基本的に1か所のみ修正するように心がけましょう。
ABテストを行う場合は、ペルソナを策定することが大切です。
ペルソナを策定することでチーム内で共通したユーザー像を追える上に、ユーザーファーストの視点で考えやすくなります。
ユーザー像が明確になることで、意思決定もスムーズになるので業務効率のアップに繋げることも可能です。
ペルソナを策定する場合は以下の項目を埋めて、自社やサービスに合った設定で考えていきましょう。
目的とペルソナ設定が終わった後は、仮説を立てていきましょう。
離脱やCVに繋がらない理由を見誤ってしまうと、効果的な改善に結びつきません。
そのため、慎重に仮説を立てる必要があります。
仮説を立てる場合はGoogleアナリティクスやヒートマップツールを使って、データを確認しておきましょう。
自社サイトや広告のどこに問題があるのか分かりやすくなるので、仮説を立てる際に便利です。
ユーザーファーストの視点を持ちながら、どの部分を改善していくのか見極めていきましょう。
仮説を立てた後はテストパターンを用意して、ABテストを実行しましょう。
テストパターンをランダムに振り分けてユーザーに表示する場合がほとんどです。
高度に検証する場合は流入経路別の表示、購入回数や購入頻度によるセグメントを行い、出し分けしてみるといいでしょう。
高度な検証を行うことで、今後の施策に役立つ詳細なデータを集めることが可能です。
ABテストが終わった後は、結果に一喜一憂せずに分析結果を冷静に見ていきましょう。
テスト実施前の仮説を振り返り、結果を見ていくとどこで間違っていたのか、どこを改善すべきなのか分かりやすくなります。
このようにPDCAを回すことで、さらに高い成果を獲得することが可能です。
もし自社でABテストを細かく行う余裕がないという場合は、株式会社INFLUにお任せください。
サイト改善はもちろん、Webマーケティング全体の施策に関するサポートも可能です。
以下のリンクから詳細を確認できるので、ご興味がある場合は以下のサイトからお問い合わせください。
マーケティングの現場でよく行われているテスト手法としては、以下の3つが挙げられます。
いずれもよく使われる手法なので、ABテスト時は必ず覚えておきましょう。
URLを変えずに見た目のみ変更する手法が、ABテストにおいて最も一般的なパターンです。
JavaScriptの技術を用いることで、ソースコードを書き換えずに見た目のみ変更できます。
ソースコードを書き換える必要がないため、より手軽にABテストを行うことが可能な点がメリットです。
SEOにおいても影響が出にくくなっているので、掲載順位を気にする場合でも実践しやすくなっています。
テストページにアクセスしたユーザーに対して、別のURLにリダイレクトを挟んで飛ばすABテストもあります。オリジナルのページを変更する必要がないため、テストの自由度が上げられます。
ただし、テストしたいページと同等のコンテンツ量がある別ページを用意する必要があります。
2ページ用意する必要があるので、コストがかかりやすいのが難点です。URLも2つ用意しなければならないので、コストに余裕がある場合に実施しましょう。
同ページ内、ページを跨いで複数の部分をテストする「多変量テスト」という手法もあります。
同時に行うテスト内容のパターンの中で、どれが一番成果を出しているのか見極められるのがメリットです。
得られるデータが多くなりますがその分、複雑なテストになって確認事項も増える点に注意しましょう。
また、バリエーションが増えるため、一定以上のアクセス数が必要な点についても理解が必要です。
ABテストを行う際は、以下の4つのツールがおすすめです。
いずれもABテストを効率化してくれるツールなので、チェックしておきましょう。
Google Optimizeは、Googleが提供している無料のABテストツールです。
Optimize 360の無償版なので、制限はあるものの多変量テストやリダイレクトテストも実行できます。
Googleアカウントを作成してテストケースを作って、ABテストを行うだけなので手軽に実行できる点が強みです。
また、管理画面から画像の差し替えやテキスト編集などの設定が可能になっており、利便性が高いのも嬉しいポイントです。
どのABテストツールを使うのか悩んでいる場合は、まずGoogle Optimizeを試してみるといいでしょう。
引用:Optimizely
Optimizelyは、海外でも有名なABテストツールです。
海外の有名企業でも導入されていることが多く、日本語にも対応しています。
ABテストの他に多変量テスト、複数ページテストも簡単に実施することが可能です。
機能が豊富に用意されているだけではなく、使いやすい形で設計されているためデザインやコーディングの知識がなくても問題ありません。
日本で使う場合は代理店を通す必要があり、代理店によって価格が異なる点について理解しておきましょう。
引用:Juicer
Juicerはユーザー属性を分析できるDMPツールで、ABテストにも対応しています。
基本プラン0円でABテストを実施できるので、無料でツールを導入したいという場合におすすめです。
人工知能や機械学習に注力をしており分析精度が高く、レベルの高いABテストを実現できます。
直感的に使えるUIになっているので、ABテストを初めて行う場合でも問題なく使いこなせるでしょう。
引用:Adobe Target
Adobe Targetは、AIが搭載されたABテストツールです。
ABテストと多変量テストが実行できるので、幅広い分析が実現します。
ガイダンスが用意されているため、初めてツールを導入する際でも簡単に使いこなせるでしょう。
また、AIの精度が高く、ユーザーの居住地域や訪問回数、言語、OSなど細かく分析できるのも強みです。
Web・モバイルアプリ・IoTなどのあらゆるチャネルに対応したテストが可能になっているので、より複雑な分析を行う場合にも向いています。
ABテストを行う場合は、他社の成功事例を参考にしましょう。
他社のやり方を知っておくと、自社でABテストを行う際に役立ちます。
月額制の動画配信サービスであるHuluでは、ABテストを行い成果を出した事例があります。
ABテストを行うきっかけとしては、LPに流入したユーザーがトップページやフォームで離脱してしまうという問題点が挙げられます。
そこで、LPのキャッチコピーとフォームでABテストを行い、会員登録完了率を116.7%にアップさせました。
訴求方法やフォームのUIの並び順を改善し、見事に成果に繋げているのがポイントです。
中古車販売を行うGulliverでは、広告での集客効果が一度頭打ちになったことを受けてLPやフォームなどの離脱に対する改善を行いました。
その際にこだわったのが以下のCTAの文言です。
この6つでABテストを行い、最もクリック数が多かった「一括申込みスタート!」に文言を変更しました。
査定申し込みの必要情報を入力するフォームをLPに埋め込むという改善も行い、CVRを120%ほどアップさせています。
結果的にユーザーの離脱を抑えながら、自動車査定の申し込み完了率を改善することに成功しました。
Jimmy Jazzは流行ファッションを取り扱うブランドで、モバイルサイトの購入ボタンに関するABテストを実施しました。
こちらの2つの購入ボタンで成果を試し、5週間実施したところAの方が成果が高いことが分かりました。
Aのボタンにすることで購入ページに進むユーザーが2%増加しているため、下部だけではなくファーストビューでもボタンを搭載することが重要であることが分かります。
慈悲団体であるOxfam Great Britainでは、寄付金の額を増やすためにABテストを実施しています。
こちらの4つでABテストを行い、結果的に寄付期間、金額が設定でき、寄付ボタンがあるDが最も高い成果を出していることが分かりました。
ただ文言を考えるだけではなく、訴求を付け加える事も重要であることが分かる事例です。
ABテストを学ぶ際は以下の3冊がおすすめです。
ここからはそれぞれの本の詳細について解説します。
こちらは複数の専門家が携わっている書籍で、ABテストのコツをプロの目線から学べるようになっています。
基礎的な部分はもちろん、ABテストの具体的なやり方やつまづきやすいポイントを分かりやすく学べるのが本書の強みです。
Google、Amazon、Microsoft、LinkedInなどで実際に実践された経験から得られた教訓や注意点について学べるので、ABテストに対する理解をさらに深められるでしょう。
こちらは教科書という名の通り、ABテスト初心者向けの書籍です。
ヒートマップ調査、KPIマップ調査、アクセス解析など基礎的な部分から、ABテストに対する知識を深めることができます。
応用的なテスト内容や事例についてもあわせて解説しているので、この1冊でABテストで必要な知識を固められるでしょう。
こちらの本では、専門家が35年以上の研究と実践を重ねて生み出したABテストに関するノウハウを学べます。
実験の設計・実行方法、完全性の確保、解釈や課題への対処法などABテストに必要不可欠な知識を習得することが可能です。
ABテストの注意点についても具体的に学べるので、ABテストへの理解度を高める際に最適な1冊といえます。
ABテストを行う場合、注意すべきポイントを把握し慎重に手順通り行うことで、高い成果を求められます。
また、テストの手法や成功事例についても理解しておくと、成果の出し方もさらに深く理解することが可能です。
ABテストが一度で終わることはほとんどないので、細かく改善を繰り返しながら結果を追い求めていきましょう。
株式会社INFLUでは、SNSの運用、プロモーション、施策の実行など、幅広いマーケティングのサポートを行っております。
ご興味がある場合はぜひ、一度ご連絡ください。