多くの飲食店や小売店でスタンプカードを発行しています。
来店回数や購入金額に応じたポイントを付与するもので、来店頻度を高めたり、単価をアップさせる目的で発行します。
このスタンプカードは、LINE公式アカウントでも作成、運用することが可能です。
デジタル化することにより、カードの利用状況を数字で把握することができます。
PDCAを回しやすいという特徴があります。
ユーザーにとってはカードを失くす、忘れる可能性が低く、お得に買い物や食事が楽しめるというメリットがあります。
スタンプカードをLINE公式アカウントで発行する方法や機能、メリットを解説します。
目次
LINE公式アカウントで作成するショップカードは、大きく分けて3つの機能が搭載されています。
それぞれの内容について詳しく説明します。
紙からデジタルに移行するに際して、注意すべき点があります。
ポイント発行のやり取りについてです。
ポイントの付与は、LINE公式アカウントの管理画面から発行されるポイント付与専用QRコードを通して行います。
来店や購入時に、顧客がQRコードをスマートフォンで読み取ると、ポイントが付与されます。
QRコードはiPadやスマートフォンなどで表示しても良いですが、印刷してレジ横のPOPに表示したり、店内のポスターに印刷することもできます。
レジでの処理時間が遅れないよう配慮し、顧客に手間がかからない運用方法を選んでください。
店内ポスターに印刷をすると、一回の来店で何度もポイントを取得する人が出るのではないかと心配になりますが、不正利用防止を目的として取得を1日1回に制限する設定が可能です。
また、指定時間以内には再取得できないようにすることもできます。
店舗の形態に合わせて設定を行ってください。
何らかの制限を設けた場合はその内容を顧客に明示すると、余計な心配やトラブルが生じません。
特典の内容は自由に決めることができます。
ポイントは1から50まで選ぶことが可能です。
特典はあらかじめ決めたチケットの発行が可能です。
「〇%引き」「コーヒー1杯無料」「デザートプレゼント」などです。
ゴールに到達する前に特典を付与することも可能です。
例えば、20ポイントをゴールと設定し、10ポイントを通過点として設定するようなものです。
それぞれの到達地点で特典の設定ができます。
分析機能を使うと、発行済カード数、有効カード数、付与ポイントの合計、有効期限切れ、発行済特典チケット、使用済特典チケット、使用率などを把握することができます。
ポイントカードの発行は主に来店頻度を高める効果が望めます。
集客において重要度の高いものですが、紙で発行することが多く、PDCAを回し切ることは困難でした。
LINE公式アカウントでは、発行するポイント数の適正値や喜ばれる特典を割り出すことができます。
LINE公式アカウントのショップカードを作成し、運用するメリットにはどのようなものがあるでしょうか?
主に以下の3点が挙げられます。
新型コロナウイルス感染拡大以降、飲食店や小売店は新規客を集めることが難しくなりました。
一部の繁華街には人の流れが戻りつつありますが、コロナ前の水準までは回復しきっていないからです。
コロナ後のローカルビジネスは、新規客をいかにリピーターにするか、リピーターの来店頻度をどれだけ高められるかが勝敗を分けると言われています。
LINE公式アカウントは、新規客よりもリピーター集客に向いたツールです。
顧客とコミュニケーションを図り、ファンへと育成するツールだからです。
LINEの機能の中でもショップカードは強力なツールになります。
顧客の多くは割引などの特典を求めています。
LINE公式アカウントでクーポンを発行することはできますが、必要以上に発行すれば単価を下げるだけの結果に終わります。
ゲーム性を持たせ、来店する仕組みを作らなければなりません。
ショップカードはポイントの有効期限を顧客に知らせる機能もついています。
精度の高い運用を行えるのは、LINE公式アカウントならではのものと言えます。
LINE公式アカウントの運用開始直後、必ずぶつかるのが友だち数が伸びないという壁。
顧客は自分にとってメリットが高いものだという認識を持たなければ、わざわざLINE公式アカウントの友だちになったりはしません。
店内POPなどでLINEの告知をする際、ショップカードを運用しているというメリットの訴求ができます。
ゴール到達時の特典を強めに設定しておけば、友だちになろうという気運が高まります。
紙のカードはレジで処理をする手間がかかります。
しかし、ショップカードは顧客が行うものなので、スタッフの業務負担が軽いという特徴があります。
ただし、運用開始直後は使い慣れない人が手間取る可能性もあるため、ポイントの獲得方法を周知する必要があります。
手間がかかると感じる場合は、店舗内の各所にQRコードを貼り付け、セルフ形式でポイントを獲得できるようにしてください。
手放しでの運用も可能です。
ショップカードの作成自体は難しくありません。
以下のステップで進めます。
複雑で難しいのは詳細の作り込みです。
ステップ②では、以下のようなものを決める必要があります。
項目 | 内容 |
背景画像 | カードの背景画像を設定します。 ファイル形式:JPG、JPEG、PNGファイルサイズ:3MB以下 推奨画像サイズ:1920px × 960px(比率が異なる画像は中央揃えで切り取られます) |
デザイン | カードのポイントデザインを選択できます。 |
ゴール特典 | ゴール特典を設定します。ユーザーが到達点に到着する際に受け取る特典を作成します。クリックすると特典チケット選択画面が表示されます。特典チケットがない場合は「特典チケットを作成」より作成が可能です。 ※カードが有効期限切れの場合でも、特典チケットの利用は引き続き可能です※カードを公開停止にした場合は、特典チケットも利用できなくなります |
ポイント特典 | ゴール前の特定のポイントに達した場合に付与する特典および特典を付与するポイントを設定できます。 |
カード有効期限 | ショップカードの有効期限を設定します。※最終利用日=最後にポイントをつけた日※初回利用日=はじめてポイントをgetした日 |
有効期限の通知 | ショップカード・特典の有効期限が切れる前に、ユーザーへ通知することができます。 ※ショップカード・特典の有効期限の通知は、「LINEウォレット」のLINE公式アカウントから通知が行われ、配信通数としてはカウントされません |
ポイント取得制限 | ポイント取得について制限の設定ができます。 ※デフォルトは「同日中に同じお客さまへのポイント付与を許可しない(0:00にリセット)」になっています ※設定はすべてのポイント付与QRコードに適用されます |
QRコードの設定では、付与するポイントの数などを決めます。
ショップカードを公開した後、公開停止にすることができますが、一度公開停止にした場合は復活ができません。
また、公開停止日の翌日まで、新しくショップカードを開始することはできないので、注意してください。
ショップカードの利用頻度を高める効果的な方法を紹介します。
ショップカードは顧客の利用開始のタイミングでボーナスポイントを付与することができます。
顧客にとってショップカードは使い始めが一番の障壁になります。
この関門をいかに突破するかが重要です。
ボーナスポイントは強いインセンティブになります。
中間ポイントは必ず設けてください。
ゴールまでの到達期間が長いと、途中で挫折する顧客が出てしまうためです。
継続して利用したいと思わせるようにしてください。
ゴールの到達までを長くしすぎないことも重要です。
ショップカードは飽きさせないことが運用のコツ。
すぐに貯まってまた新しく作りたいという心理が働くくらいが良いでしょう。
飲食店や小売店にとって、リピーターが重要だというのは周知の事実。
しかし、どれくらいの効果があるのかはあまりわかりません。
例えば、とあるベーカリーショップを運営していたとします。
アンケートをとったところ、コロナ前とコロナ後で来店頻度は以下のように変化していました。
コロナ前 | コロナ後 | |
初めて | 2,100 | 420 |
月1回 | 2,100 | 2,520 |
月3回 | 4,200 | 3,780 |
月5回 | 2,100 | 1,680 |
合計 | 10,500 | 8,400 |
コロナ後は1ヶ月で約2,000人の顧客を失っています。
そのため、来店頻度を増やして累計の客数を増やそうと考えたとします。
LINE公式アカウントを運用し、クーポンを配信。
来店頻度の構成比率は以下のように変化したとしましょう。
現状 | テコ入れ後 | |
初めて | 5.0% | 3.6% |
月1回 | 30.0% | 12.5% |
月3回 | 45.0% | 48.2% |
月5回 | 20.0% | 35.7% |
合計 | 100.0% | 100.0% |
その結果、累計の客数は以下のようになります。
現状 | テコ入れ後 | |
初めて | 420 | 420 |
月1回 | 2,520 | 1,441 |
月3回 | 3,780 | 5,557 |
月5回 | 1,680 | 4,116 |
合計 | 8,400 | 11,533 |
客数の絶対数そのものはテコ入れ後も変化していませんが、来店頻度を変えたことで3,000人以上客数が増えています。
これがリピーター効果です。
ショップカードはリピーターの獲得と来店頻度の向上に欠かせないツールです。
ローカルビジネスを展開している店舗や企業はぜひ取り入れてください。
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