「集客のためのアイデア」には、絶対的な正解は存在しません。しかし、集客のアイデアを生み出すためのステップや考え方には順序が存在することは事実であり、知っておくことで集客成功への道を切り開ける可能性はグッと上がります。
集客の概念、顧客の種類、アイデアを生み出すための視点をしっかりと頭に入れてこそ、多くの人が集まる企画や商品は産み出されるのです。
この記事では、集客のアイデアを生み出すために必要な事前知識や視点に加えて、企業の実際の成功事例や思考・行動の流れを解説します。
目次
集客のアイデアを考える上で多くの人が陥りがちなのが「集客のアイデア=人をたくさん集めるための方法」と誤った認識をしてしまうことです。
単にSNSのアカウントのフォロワーや投稿の閲覧数を増やすのが目的でない限り、ビジネスにおける集客の目的は、ただ一度きりの「お客様」を増やすことではありません。
ビジネスにおける集客とは「ファンを増やすこと」です。そしてこのファンとは、私たちの生活に馴染みの深いアイドルや俳優に対してのファンとも良く似た特徴があります。
アイドルや俳優のファンは対象に対して興味を持ち、一度きりでなく長期的に関連する情報をいち早くキャッチし、グッズなどの商品を購入して「応援」するのです。
ビジネスにおいての集客では、このような仕組みを作ることが必要不可欠です。したがって、集客のためのアイデアは一つではなく、全てのステップにおいて無限に存在します。
ビジネスやマーケティングにおける「集客」はただ人をたくさん集めるだけでなく、「自社の商品やサービスを長期的に購入・応援し、フォローしてくれる人を集める」ことです。
集客においてのアイデアは大きく分けて以下5つの方面で必要となり、これらが一つでも欠けると自社商品やサービスに対しての長期的なファンの獲得は難しくなります。
これらのステップは、「アイデアを産み出すための流れ」の段落の中で深掘りして解説します。
集客の対象となる「お客様」には、大きく分けて以下の4つの層があります。
集客のアイデアを考えるにあたって、まずは集客の対象となる顧客層には以上の4つのタイプがあることを事前知識として頭に入れておくことが大切です。
この段落では、集客のアイデアを考える上での事前知識として重要となる「対象となる顧客の4つの種類」についてをそれぞれ解説します。
それぞれの顧客層に対して有効性の高いツールについても紹介しておりますので、集客を行う対象の顧客層が決まっている人はぜひ参考にしてみましょう。
潜在顧客とは、集客を行う側の工夫や手段次第では見込み顧客へと変えられる可能性のある顧客層のことを指します。
潜在顧客を集めるのに有効な施策として挙げられるのがSEO(検索エンジン最適化)やMEO(Googleマップの地図エンジン最適化)です。
これらの施策は「どのキーワードが多く検索されているか」や「どの場所で何が流行っているのか」と考えることで、具体的なイメージがつきやすくなります。
見込み顧客とは、実際に集客を行いたい商品・サービスまたはそれに類似したものに興味を持っており、成約や購入に繋がる可能性が比較的高い顧客層のことを指します。
見込み顧客を集める上で重要視しておきたいのがWebサイトやLP(ランディングページ)。商品やサービスに興味を持った多くの顧客は必然的に提供元やウェブサイトを訪問してくると言っても過言ではありません。
見込み顧客となる人が自社の商品やサービスに興味を持ち、Webサイトを訪問してきたときのことを考え、顧客にとって分かりやすい内容やコンテンツを準備しておきましょう。
新規顧客とは、集客を行う側がターゲットとしてリーチする対象となる顧客層のことを指します。
新規顧客を集めるためのポイントは「認知の拡大」です。そのために有効となるのは視覚的にアピールできる広告やキャンペーンなどです。
この2つの施策の共通点は「新規顧客にまずは金銭や情報などのギブを与えること」であることを意識した上で、積極的により多くの人々にアプローチをかけていきましょう。
既存顧客とは既にサービスや商品に馴染みが深く、今後も継続的な購入・利用を期待できる顧客層を指します。
既存顧客を長期的にキープする上で大切なのがLINEやFacebook、Twitterなど「SNSアカウントの運用」です。具体的な運用方法は以下のようなものがあるので参考にしてみましょう。
これらの施策を兼ね合わせることで、自社商品やサービスを多くの既存顧客にとって「生活の一部」として浸透させることが出来れば、長期的なファンになってくれる可能性は大きく高まりますね。
集客のアイデアを産み出すために必要なのは顧客の種類に関する事前知識だけではありません。これら4種類の顧客に対して集客を行うためのアイデアを考えるためには、以下5つの視点を持つことが必要不可欠です。
また、これらの視点は前段落で解説した4つの顧客層それぞれに応用することが可能となります。ここからは、集客のアイデアを産み出すために必要な5つの視点を解説するので参考にしてください。
集客のアイデアを産み出すための一つ目の視点は「認知段階」。お客様に商品・サービスについての「知識」を提供するステップのことを指します。
このステップでは新規顧客や見込み顧客、潜在顧客に対して「商品・サービス自体の知識を提供する」ことの他、既存顧客に対して「商品やサービスの特徴を思い出してもらう」ことを意識するのがポイントです。
2つ目のステップである「興味関心段階」。商品・サービスについての知識を備えている状態のお客様に「興味」を持ってもらうためのステップです。
このステップでは、それぞれの顧客に対するアプローチ方法は以下のようになります。
4つの顧客層に対して適切なアプローチを行い、興味を持ってもらうための施策を考えていくことがポイントとなりますね。
3つ目のステップ「検索段階」は商品・サービスに対して興味を持っているお客様に実際に手を動かして「検索」してもらうためのステップのことを指します。
このステップでは新規顧客、潜在顧客は主に商品・サービスの概要や内容、見込み顧客や既存顧客は商品・サービスのメリットやデメリットに対して興味を持ってくるでしょう。
それぞれの顧客層へのアプローチを成功させるためにも、ホームページやSNS上のコンテンツを簡潔にわかりやすく、そして興味の持てる内容にすることを心がけることがポイントです。
4つ目のステップ「購入段階」は実際に商品・サービスに興味を持ち、情報を検索しているお客様に「購入」の意思決定を促すためのステップとなります。
このステップでは見込み顧客に対して「0から1」、既存顧客に対して「1以上」のギブを提示することで、商品やサービスの価値を提供することを心がけましょう。
最後のステップとなる「シェア段階」。ここでは既存顧客に自社商品の情報や感想、口コミを「シェア」してもらうためのステップとなり、長期的なファンを増やすためのキーポイントとなります。
このステップは一見すると既存顧客に対して行うものに見えるものの、新規顧客となりそうなユーザーがTwitterなどのSNSで情報をシェアしてくれる可能性も大いにあります。
多くのユーザーに自社商品・サービスを広めてもらうためにも、SNSやWebサイト上にはすべての顧客層に興味を示してもらえる内容を掲載することを意識しておきましょう。
この段落では、様々な方面におけるアイデアによる企業の実際の集客の成功事例を3つ紹介します。
以下で紹介する3つの企業は誰もが知っているものばかりです。
しかし、これらの企業は様々な顧客層に対して長期的に「気付いたらファンになっていた」という状況を作り出すことに成功しています。早速事例を見てみましょう。
ファストフード業界の世界的チェーン店であるマクドナルド。「チキンタツタ」などの期間限定メニューやお子様向けの「ハッピーセット」など、国内でヒットした企画や商品は多岐に渡ることは言うまでもありません。
マクドナルドは近年、若年層に人気の高いGODIVAや国民的アニメの一つであるポケモンとのコラボを通して男女ともに幅広い顧客層へのリーチに成功しています。
この戦略を通して、マクドナルドは「GODIVAやポケモンのファンがグッズを買う感覚で自社商品を購入する」仕組みを作り上げることに成功しているのです。
「ファストフード=マクドナルド」と多くの日本国民にとっても馴染みの深いマクドナルド。今後はどのような集客のアイデアを展開してくるのでしょうか。
2009年に米国で創業し、2013年に日本進出に成功したフードデリバリーやタクシー事業などで有名なUber。この会社の集客のアイデアは「まずは顧客に対してのギバー(与えるもの)になる」という考え方から成り立っています。
Uberのコア事業であるフードデリバリーのUber Eatsでは、「初回の注文から代金を1,200円引き」など、潜在顧客への先行的なバリューの提供を行い国内多くの地域への浸透に成功しています。
またUber Taxiにおいても「初回の乗車料金から2,000円引き」などのクーポンを全てのユーザー向けに配布することで、大量の潜在顧客・新規顧客を獲得しました。
更に継続的な割引キャンペーンを行うことで既存顧客へのフォローも欠かさず行い続けていることも、注目すべきポイントの一つです。
Uberの日本法人の純利益は2021年12月期で3億円を超えています。高い集客効果によって早期黒字化を実現しました。
2010年代後半から創業者・前澤友作により一時注目を浴び、今となってはファッションやコスメなどの通販サイトの顔の一つとなったZOZOTOWN。このECサイトを提供しているZOZOでは、インフルエンサーを活かしたファンの獲得に成功しています。
ZOZOTOWNでは2017年以来、フジテレビの『恋仲』などのドラマで大ブレークし、国民的女優の一人としてインフルエンサーとなった本田翼さんを活用し始めました。
本田翼さんをインフルエンサーとして集客を行うことで、ZOZOは「本田翼さんのファン」を「ZOZOTOWNの新規顧客」として取り込むことに成功。更にサイト内で年内に数度開催される「ZOZOSALE」における「わたしが、とまらん。」というキャッチフレーズも、既存顧客の更なる購買意欲の促進に有効的となっています。
この段落では、実際に集客のアイデアをゼロから考える上でのフローを順々に詳しく解説していきます。
集客のアイデアを実際に考える上で大切なのは「ステップの順序と質」です。早速見ていきましょう。
集客のアイデアを考えるためにまずやるべきことは、スタートとゴールを明確に決めることです。
「集客のアイデアはなぜ必要なのか」「集客のアイデアを通して何を実現したいのか」を大まかに考えることで、プロジェクト全体の方向性を定めやすくなります。
大まかな目的や目標が定まったら、次は具体的な数値を用いたKPI(重要業績評価指数)や目標の売り上げなどをチーム全体での会議を通して策定します。
ここでの目標は「〇〇を目指す」という目標にタイムリミットと具体的な数値を盛り込むことであり、今後の動きやタイムスケジュールを逆算して計算できるようになります。
具体的な目標数値やスケジュールが定まったら、次は上記段落で解説した4つの顧客の種類、5つの視点を参考にして商品・サービスの現状分析を行うステップです。
分析した現状を元に4種類の顧客層に対してのアプローチ方法を優先順位をつけて考えたり、5つの視点における集客のアイデアや戦略を考えていくことがポイントとなります。
集客を行う対象となる商品・サービスの現状分析が終わったら、次はチーム内で出来るだけ数多くのアイデアを洗い出すステップです。
ここで活用したいのが、ブレーンストーミングという手法です。この手法の意味は「とにかく数多くのアイデアを出す」ことであり、アイデアの洗い出しに有効となります。
数多くのアイデアを洗い出すことは思わぬ集客への道や新たな気づきを産み出すだけでなく、複数のアイデアを混ぜ合わせることへも繋がることは間違いありません。
数多くのアイデアを洗い出したあとは、その中から現実的なアイデアを探したり、アイデアの一部を実現可能な状態にするための戦略を考えるステップです。
このステップでは集客のアイデアを考える視点のほか、MECEや4P、4Cといったマーケティングの考え方も必須となってきます。
これらのマーケティングの手法についてはぜひ、以下の記事を参考にしてみましょう。
実現に向かって動き出す集客のアイデア・戦略が決まったら、次はチーム内での担当者や役割を決めるステップに移ります。
ここで決めておきたいのが「いつ、誰がどれくらいの頻度で何を使って何をどのように行うか」を決めること。これは5W1Hの考え方を応用した手法となります。
チーム内で各業務における担当者や役割を明確に決めておくことで、チーム全体のメンバーの動きを管理しやすくなるほか、定期的に打ち合わせを行いやすくなります。
以上の点が決まったら、次はアイデアを具現化して実行するステップです。
集客のアイデアについてずっと考えているだけではコストタイムがかかるだけです。上記の要素がいったん完了したら、まずは動き出してみることも大切なポイントです。
アイデアや戦略の始動後に定例会議や現状分析を行い、集客を行っていく上での、トライアンドエラーを繰り返すことで、改善方法が模索しやすくなります。
以上のステップが完了したら、次は定期的に集客状況などを分析して継続的改善に努めるステップに移ります。
このステップではPDCAサイクルの考え方や競合分析ツールを応用し、本来のアイデアをベースにした集客状況を分析して継続的改善に努めることが目的となります。
集客の方法やサービス・商品は、継続的改善をすることで長期的に運用・保守することが必須です。このポイントは商品・サービスそのものの品質の改善にも直結し、やがてはストック型のビジネスモデルとしても成り立つので押さえておきましょう。
ここからは、実際に集客のアイデアを考える上で押さえておきたいポイントを解説します。
紹介していくポイントは気軽に実施可能なものから専門知識を要するものまで様々です。思考が煮詰まった場合は、詳しい人に意見を求めるのも一つの選択肢として頭に入れておきましょう。
集客のアイデアを考える上での一つ目のポイントは、できるだけ数多くのアイデアを洗い出すことです。
ここではアイデア一つ一つの実現可能か否かを考える前に、思いつきのものも含めて数多くのアイデアを洗い出すことを心がけましょう。
皆さんの家族や友達など身近な人へのヒアリングも、集客を行う上でのアイデアを考える上で大きな手掛かりになることは少なくありません。
考案した集客のアイデアについてを身の回りの人に聞いてみることで、自分では気づけなかった方面の指摘や新たな知識の発見に繋がることが期待できます。
集客を行う対象となる商品・サービスに関連するキーワードの検索回数や知名度などを把握することも、集客のアイデアを考える上で大切なポイントの一つです。
ここではSEOやMEO、Googleの口コミについての情報がキーポイントとなります。メディアにおける関連商品やサービスの評判を把握しておくことで、自社商品やサービスとの差別化に繋げやすくなるでしょう。
複数のメディアを使ってマーケティングを行うことも、集客におけるアイデアを考える上で重要なポイントとなります。
この考え方はクロスプラットフォームとも呼ばれており、SNSアカウントの継続的な運用やWebマーケティングの考え方を活かした施策などを同時に行うことが鍵となります。
SNSにおけるマーケティング、Webマーケティングについての記事も参考にしてみましょう。
集客の概念や顧客の種類、アイデアを産み出すための事前知識や思考・行動の流れについてを解説しました。
集客のアイデアは結果論であることは否定できません。しかし、実際に数多くの長期的なファンを集め続けている企業が行っている施策には共通点があることがわかります。
その共通点は「それぞれの集客の視点から顧客層に分けた集客のアイデアを生み出し続けている」ことであり、それぞれの層の顧客への理解や見方に抜け漏れがありません。
集客の目的はたった一度だけ人をたくさん集めるためのものではありません。全ての顧客層に対して目を向けることでより多くの人々を「お客様」に、そして「ファン」とすることのできる仕組みを作ることこそが、本当の集客の「アイデア」となるのです。
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