実店舗では実際に商品を手に取って選ぶことができますが、ECではそれができません。
消費者は画像で商品の良し悪しを判断します。
そのため、商品の写真はECの成功のカギを握っています。
EC担当者の中には、他のサイトを参考にしながら、自分の勘を頼って写真を撮影する人も少なくありません。
芸術的な写真ならともかく、宣材写真は極めて論理的なものであり、訴求方法やフレームワークの基本を抑えることが重要です。
この記事では、ECの写真を効果的に撮影する方法を紹介します。
目次
商品の写真を撮影する際は、その目的を明確にしてください。
それによって、商品の見せ方(撮影方法)が異なります。
目的が明確にならない場合は、商品の差別化ポイントを明確にしてください。
例えば、とあるタンブラー(グラス)を販売したいと考えていたとします。
訴求ポイントはカラーバリエーションでしょうか、大きさでしょうか、使用することで生活が楽しくなるライフスタイルの提案でしょうか。
これらの要素が、写真撮影の目的につながります。
商品を撮影する目的は以下の8つに集約されます。
一つひとつ詳しく紹介します。
最もスタンダードなパターンです。商品を正面に向け、そのままの姿を伝えます。
背景や飾りがついた写真の場合、消費者は細部を把握することができません。
例えば、このグラスに液体が入っていた場合、空の状態やガラスの色が分からなくなります。
商品の詳細を伝えることが目的なので、背景は白くするのが基本です。
形が同じで、複数の色がある場合に使う手法です。
色の違いを見せることが目的で、カラーバリエーションの豊富さや、全色揃えることの楽しさを伝えると良いでしょう。
商品の詳細を伝える単独の写真は個別で撮影しておき、シリーズ全体の写真としてこのパターンを掲載してください。
ブランドイメージを訴求することを目的とする写真です。
動きを持たせたスタイリッシュな写真が多くあります。
商品そのものよりも、ブランドの世界観を伝えます。
消費者がパッと見た瞬間に「かっこいい」「かわいい」などとという感情を持ってもらいます。
アイキャッチなどの目立つ部分にこのような写真を配置し、商品ページで紹介写真、カラーバリエーション写真などへと落とし込むと良いでしょう。
使い方の提案を目的とした写真です。
消費者に対して「こんな生活をしてみたい」「この使い方は楽しそう」などというイメージを持ってもらいましょう。
室内で使うものを野外に持ち込むなど、ギャップのある見せ方をすると効果的です。
商品の説明をするのではなく、商品を物語にするイメージです。
上のレモンが入ったグラスのブランド訴求写真と、このライフスタイル訴求のタイプの写真は、SNSで効果的な一枚になります。
難易度の高い撮影方法ですが、ぜひチャレンジしてください。
実際に使用するイメージを消費者に持ってもらうことを目的としています。
過度に飾らず、ターゲットの使用イメージをそのまま表現してください。
共感してもらうことが成功のポイントです。
グラスであれば、ターゲットが好むドリンクを使うと良いでしょう。
商品の大きさを消費者にイメージしてもらうことを目的としています。
ECでは商品の寸法を入れるのが必須ですが、「〇cm×〇cm」などと書かれていても、消費者は実際の大きさをイメージできません。
商品を実際に手にとった場合、どのくらいの大きさなのかを示します。
特筆すべき特徴がある場合、それを訴求する目的で撮影します。
カットグラスのカット部分などがどのようになっているのか、詳細を余すところなく伝えてください。
細部を撮影する場合は、文章でも細かな説明をすることを忘れないでください。
細部を気にする消費者には、商品が持つ魅力のすべてを伝えることで、購買へとつながりやすくなるためです。
グラスやカップなど、商品単体ではなく、そのブランド全体のイメージを訴求する目的で撮影するものです。
シリーズものとして開発された商品は、すべて揃えることでより使う楽しさが増します。
場合によっては、商品を入れる箱や袋なども含めて撮影します。
商品ジャンルによって、上に挙げた写真の訴求力は異なります。
撮影方法の基本ポイントは押さえつつ、注力すべき撮影方法がどのようなものなのかを把握してください。
洋服はモデル着用の写真を撮影しましょう。
モデルを起用することで、服の世界観やコーディネート例を伝えられるだけでなく、シルエット、丈、袖の長さなどの詳細を伝えることができます。
消費者は着用するイメージが湧き、細部を把握することができます。
靴は実用性の高いものですが、こだわりの強い消費者も多く、世界観を伝えられると効果的です。
ほとんどの人が自分の足のサイズを把握しており、そのサイズに合うかどうかを気にします。
その説明はテキストで行う方が親切です。
着用イメージやスケールを伝える写真はあまり意味がありません。
ただし、世界観やブランドイメージを伝えることを目的とした、着用イメージは効果があります。
目的を間違えないようにしてください。
アクセサリーもブランドや世界観を伝えるのが重要です。
多くの消費者は、細部にはあまり興味を持っていません。
世界観やブランドに共感を覚え、それを身に着ける楽しさがアクセサリーの本質だと考えましょう。
化粧品の場合は、ブランドとして提供しているもの全体を撮影すると良いでしょう。
商品を入れる箱も一枚の写真に入れ、ブランドとしてどのような価値を提供しているのか、消費者に伝えてください。
家具は商品を使用するイメージの写真がメインになります。
その際、決して奇抜さを狙わないでください。
ターゲットの生活イメージを再現し、共感を得られる写真を撮影します。
消費者が家に配置するイメージと写真の内容が一致すると、購買に結びつきやすくなります。
食器はライフスタイルの提案が効果的です。
この食器を使うことで、得られる日々の楽しさを訴求しましょう。
食器の場合は野外に持ち込むなど、日常とはやや離れた写真を撮影しても問題ありません。
それもライフスタイルの提案の一つだからです。
料理を盛り付けただけのものより、液体を使うなど、少し動きをつけると面白い写真に仕上がります。
アウトドアグッズは、世界観を伝えることが重要です。
テント一つをとっても、機能性重視なのか、見た目重視なのか、携行性重視なのかで訴求ポイントが異なります。
伝えたいポイントを明確にし、その世界観を伝える写真を撮影してください。
上の写真は、見た目重視のテントで、恋人と自然の中でゆったりと過ごすイメージが想起できます。
商品が持つ世界観も伝わってきます。
商品撮影は自宅でも十分行うことができます。
ただし、撮影のポイントを抑えておくことが重要です。
ここでは、この記事で紹介した、基本撮影パターンの詳細訴求写真を想定しています。
まずは撮影場所を確保します。
テーブルを用意し、白い紙を用意します。
紙はポスター紙など少し長めのものを用意してください。
ゴミがついていないことを必ず確認します。
テーブルは窓に対して直角に設定してください。
窓辺に生じる影を交差させないためです。
室内の照明は撮影の邪魔になるため、消しておきます。
直射日光も当たらないようにしてください。
基本のセッティングはこれでOKです。
レンズの口径を小さく絞ります。
こうすることで、被写界深度(焦点が合っている被写体の距離の範囲)が大きくなります。
つまり、商品全体が鮮明に撮影できるということです。
被写界深度はF値で調整しますが、シャッタースピードが遅くなるほど手ブレの影響を受けやすくなります。
そのため、三脚などで固定して撮影するようにしてください。
三脚は高額なものを用意する必要はなく、数千円のもので構いません。
光を当てる場合は、正面、斜め前(45度)、真横、斜め後ろ(45度)、真後ろ、真上など、様々な当て方を試してください。
それぞれ、効果が異なります。
主に以下のような効果があります。
構図を知ることも重要です。
構図はフレームワークとも言い換えることができ、バランスのとれた写真を誰でも撮影できるようになります。
最も基本的な構図です。
その名の通り、商品を中心に据えた写真です。
商品の中心が、写真のちょうど真ん中にくるように配置します。
白背景を使う場合は、ほぼ日の丸構図になりますが、野外などに移した場合、余計なものが入るために難易度が上がります。
野外でも芝生の上など、背景がシンプルな場合に効果的です。
万能的な構図です。写真を縦横に三分割した線を意識します。
その線が交わる場所に被写体を置きます。
複数の被写体を入れるのではなく、対象の商品のみを交差する点に配置してください。
動きや雰囲気のある写真になります。
三角構図は写真の中に三角形を描くものです。
ポイントは正三角形にすることで、決して逆三角形にはしないでください。
逆三角形の写真は安定感が失われます。
三角構図はダイナミックな印象を与える写真になります。
ECは写真が成功のカギを握っていますが、最も重要なのはECサイトにユーザーを呼び込む集客活動です。
撮影が完了したら、マーケティング施策を構築しましょう。
SEOやSNS、広告など様々な手法がありますが、おすすめの施策がLINEマーケティングです。
LINE公式アカウントは、リピーター集客に効果的です。
クーポンやポイントカードを発行して再利用を促すことができます。
最近ではLINE公式アカウント内にECショップをオープンするケースが増えました。
集客から購買までをシームレスに行えるためです。
『Lea=レア』はLINE内にECショップを構築できるサービスです。
誰でも手軽にECショップが構築できるように設計されており、運用から注文、決済までがスムーズに進められます。
レアの詳細はこちらのページで得られます。
会員登録はこちらです。
ECの商品撮影は感覚に頼らず、ロジックで固めてください。
消費者に伝わりやすくするためには、商品やブランドの特徴、ブランド、ストーリー、ターゲットなどを明確にしてください。
それにより、訴求ポイントが鮮明になります。
『Lea = レア』は、誰でも簡単にECサイトを構築できることをコンセプトにしたサービスです。
立ち上げから運用まで、担当者の手を煩わせることがほとんどありません。
ユーザー重視の設計にもなっており、LINEでシームレスに購入から決済、アフターフォローまで行えます。
利便性の高さから、離脱やキャンセルを防止することができます。
リピート購入にも期待でき、販売チャネルの拡大に最適なツールです。
『Lea = レア』の詳細情報は以下のサイトで得られます。