「販売チャネルを増やすためにECを始めたものの集客ができない」
「アクセス数を集められる自信がなくEC運用を躊躇ている」
このように考えるマーケターは少なくありません。
新型コロナウイルス感染拡大以降、飲食店や食品加工事業者を中心にEC化を進める動きが加速したものの、担当者は何から手をつけて良いかわからずに混乱するケースが見られます。
ECの成功は運用体制と集客手法を確立する事で成功します。
運用は業務の平準化がしやすく、外注しても問題ありません。
難易度の高いのがマーケティングです。
基本的な知識を持っておかなければ、外注しても効果は出ません。
この記事ではECサイトのマーケティングの基礎知識を解説します。
目次
ECサイトに集客する場合、注力するポイントが3つあります。
公式LINEアカウント、TwitterやInstagramなどのSNS、YouTubeの動画マーケティングなど、ECサイトのマーケティング手法には様々なものがありますが、3つのうちのどれに有効なのかを把握することで効果を高めることができます。
ECサイトに新たに訪問するユーザーの獲得です。
特定のキーワードで上位表示を狙うSEO対策や広告の出稿、Twitterでの告知など、様々な方法があります。
新規集客対策で最も重要な考え方は、顧客の課題解決に繋げること。
まず、ECで販売する商品は顧客のどのような課題を解決するのかを考えます。
例えば、サブスクリプション型の冷凍パンを販売するECサイトを立ち上げたとします。
宅配型の冷凍パンは店に出向く手間を省き、保存しやすく、いつでも食べられるという特性があります。
顧客に対して、購入する時間の短縮、古くなったパンの廃棄をなくす、隙間時間の空腹を満たすといった課題解決が考えられます。
こうした課題解決を軸としてキーワードや広告内容を構築することが成功のポイントです。
「美味しいパン」「冷凍型の珍しいパン」といった宣伝文句だけで集客できる時代は終わりを迎えました。
課題解決型に頭を切り替えましょう。
ECサイトを構築して半年程度経過したら、リピーター対策にも力を入れてください。
メルマガやLINE公式アカウントの運用が有効な施策になるでしょう。
ECサイトのマーケティングにおいては、新規集客に注力しがちです。
しかし、リピーターを増やすことで収益は安定します。
基本的にはリピーターの方が集客にかける費用対効果が高いためです。
また、リピーターは口コミも積極的に行う傾向があり、新規集客を連れてくる効果も望めます。
リピーター、ファン化を意識して集客を行いましょう。
ECサイトや公式ホームページの情報を定期的に更新し、魅力的なコンテンツにすることもリピーター対策の一つです。
ECサイトを訪れるユーザーの数や、延べ人数である流入数をベースにし、そこからどれだけ購買に至ったのかを把握してください。
それが購買率です。
購買率の計算方法はいくつかあります。
購買率の計算式にこれが正しいというものはなく、独自に定義して構いません。
ただし、その計算式をチームメンバーやクライアントに周知してください。
Adobeがアメリカで行った調査によると、ECサイトの平均購買率(購買ユーザー数÷ユーザー数)は3.0%でした。
新規集客はGoogleやYahoo!をメインにしたWeb型と、Instagramや公式LINEアカウント、Twitter、YouTubeなどのSNS型の2つがあります。
どのプラットフォームを使うのかは、目的に合わせて決めてください。
以下は一例ですが、このようにまとめることができます。
プラットフォーム | 特性 | ターゲット | 手法 |
顧客が解決したい課題や興味関心がある分野を積極的に検索する | 幅広い ※近年は若年層の利用が少ない傾向にある | SEO リスティング広告 ディスプレイ広告など | |
LINE | 日本人スマートフォン所持者の大部分が活用するコミュニケーションプラットフォーム | 幅広い | LINE公式アカウント 広告 |
TikTok | 動画で効果の高い訴求を行うことができる | 10~20代男女が中心 | 公式アカウント 広告 |
画像を中心としたSNSプラットフォームでブランド構築に役立つ | 20~30代女性が中心 | 公式アカウント 広告 |
これらの中で特に効果的な手法について解説します。
SEOに成功すると、費用対効果の高い集客装置を構築できます。
特定のキーワードで上位を狙います。
よくあるのが、「冷凍パン」「パン 宅配」など競争率の高いキーワードで上位を狙う、あるいは簡単に上位表示ができると考えてしまうこと。
SEOにはポイントとなる要素が2つあります。
検索ボリュームと競合ページの強さです。
例えば「冷凍パン」は、月間の検索数が1,200程度で安定しており、流入が見込めるキーワードです。
しかし検索上位には、楽天やAmazon、伊勢丹などの強力なサイトが並んでいます。
これらのサイトに勝って上位に入るのは至難の業でしょう。
あまり得策とは言えません。
それよりも、「パン 保存方法」や「パン 焼きたて」といったキーワードの方が検索数は数百に落ちるものの、競合は強くないように見えます。
SEOはビッグワードよりも、ミドル、スモールを狙ってください。
そしてキーワードの構築や記事内容は、顧客の課題解決に繋げることを最優先してください。
ビッグワードで有効なのが、リスティング広告の活用です。
「冷凍 パン」などのビッグワードで上位に表示することができます。
ただし、クリックされるごとに料金が発生します。
クリック単価はキーワードによって異なり数十円から千円台まであります。
費用対効果を考慮して戦略を考えましょう。
Googleでの広告はリスティングの他にディスプレイがあります。
提携するメディアやYouTubeなどに広告を表示することができます。
ディスプレイ広告はクリック単価が低い傾向がありますが、顧客が求めていることに応える広告ではないため、購買に対する意欲が低いというデメリットがあります。
広告はInstagram、TikTok、FacebookなどのSNSにも表示できます。
SNS広告の最大の特徴は、ターゲットを絞り込みやすいこと。
Facebookは経営者が多く、Instagramは若い女性が中心、TikTokは若年層などプラットフォームの特性があります。
狙ったターゲットに広告を届けられるのです。
SNSの運用も新規集客に有効な施策です。
公式アカウントの運用には基本的に料金が発生しません。
一定のフォロワーを獲得すると、商品やブランドをアピールすることができます。
運用時のポイントは、ユーザーの共感を呼べるかどうか。
公式SNSでいくら自社の宣伝を行っても誰も興味を持ちません。
生活に役立つ情報や、言語化できない現象の適切な解説など、ユーザーが投稿者のプロフィールに興味を持つ内容を発信することが重要です。
TwitterやInstagram、Facebook、TikTokは新規集客に向いていますが、ファン化によってリピーター対策にもなります。
対策が手薄になりがちな、リピーター対策はECマーケティングを成功させるカギと言えるでしょう。
必ず対策を行ってください。
最も有効なのが会員化です。
会員化を行うツールは複数ありますが、公式LINEアカウントの運用がおすすめです。
LINE公式アカウントは、簡易版の会員向けアプリだと考えてください。
ユーザーと直接コミュニケーションを図ることができ、Q&Aやクーポンの配信などが行えます。
無料でアカウントを立ち上げることができ、多くの機能を搭載できます。
公式LINEアカウント上にECサイトを構築するLeaというサービスもあります。
LINE内で構築すれば、アカウントとECの運用を同時に行えて業務の効率化が図れます。
近年は販売チャネルを複数持つマルチチャネル、オムニチャネルが注目されています。
ECサイト構築後、LINE内にECを構築するという手もありでしょう。
手軽に始められるのがメルマガです。
顧客リストを使って定期的にメルマガを配信します。
業種によっても異なりますが、メール配信サービスBenchmark Emailによると、日本での開封率は37.42%。
リンクのクリック率は4.84%でした。
台湾のクリック率は2.46%、中国が1.36%、インドが2.73%。
日本は他の国々に比べると高い傾向があります。
メルマガは効果がないと思いこまず、継続して実施することをおすすめします。
成果を出すポイントは、商品の売り込みだけを行わないこと。
他のコンテンツと同様に、顧客が抱える課題を解決する提案を意識してください。
ECサイトの課題を抱えている場合、ぜひ以下からご相談ください。
ECサイトを運用する上で重要な式は以下のようにまとめることができます。
購入数=訪問するユーザー数×購買率
例えば、月間訪問ユーザー数が1,000、購買率(月間訪問ユーザーが購買する率)が3%だったとします。
購入数は30個です。
月間の購入数が50個だったとします。
その場合、ユーザー数を増やすか購買率を高めるか、その両方の施策を選択する必要があります。
ユーザー数を増やす選択をした場合、月間訪問数を1,667まで増やさなければなりません。
1.6倍に引き上げるのは容易ではありません。
購買率を4%に高めると、ユーザー数は1.250で済みます。
購買率を高めた方が効率は上げやすいのです。
それでは、どのように購買率を上げれば良いでしょうか。
LPOとは、ユーザーを購買へと導くため、最初にアクセスするページの最適化を図るものです。
ランディングページの適正化と呼ばれます。
レイアウトを変更して高単価の商品が目に留まりやすくする、ボタンの色を目立つ色にして購買に繋がりやすくする、アイキャッチを変更して離脱率の低減を図る。
このようなものを指します。
ABテストを実施して少しずつ変更するのが良いでしょう。
数%の改善活動を繰り返す作業です。
UIはユーザーインターフェースの略語です。
LPOに近い考え方ですが、UI改善はページ全体の見直しを行います。
例えば、何らかの記事を読んだユーザーの購買率が高いというデータがあれば、トップページからその記事を通過させる仕掛けを用意します。
ただし、ユーザーにとって使いやすいサイトであることを重視してください。
ユーザーにとって有益な情報である、だからその記事に目を通して生活に役立ててほしいという観点を持つことが重要です。
スマートフォンに最適化したフォントの選択や、表示スピードの改善なども、UIの改善の一つです。
UXはユーザーエクスペリエンスの略語です。
ユーザーがサイトの利用から品物を購入するまでで得られる体験のことです。
購入に至る一連の操作が、ユーザーにとって心地よいかどうかを考えます。
例えば、郵便番号を入力すると住所が自動的に引用されると、ユーザーは入力の手間を省けます。
快適な空間を提供することを心がけましょう。
品物の梱包状態や届くまでの期間、カスタマーサポートもUXに含まれます。
マーケティングはWebサイトだけに留まりません。
ユーザーの体験すべてを見直しましょう。
商品開発もマーケティングの一部です。
購入データから売れ筋を見つけ、ヒット商品を生み出してください。
ネットワークが広がったことで、仕入れがしやすい時代になりました。
しかし、横流しをするだけで儲けられるほど甘くはありません。
売り出し方やパッケージなどを工夫する必要があります。
ECサイトを運営することで、経営課題が解決されるケースはほとんどありません。
「無印良品」で有名な良品計画でさえ、全売上高に占めるECの比率はわずか6.8%ほどです。
マーケティング担当者や事業主体者は、ECサイトを運営する上での課題を把握して事業計画を立ててください。
Webマーケティング全般に言えることですが、成果が出るまでに時間がかかります。
例えば、SEO対策はコンテンツマーケティングが主流で、キーワードに合わせた記事を投稿します。
狙ったキーワードで上位表示ができるまでに早くても1ヶ月程度、場合によっては6カ月から1年程度は見た方が無難でしょう。
広告もアカウントを作成したばかりの段階では、競合よりも上に表示されないことがあります。
ビジネスの世界では、会社や人が信頼を獲得するには一定の成果を残すなどの時間がかかるものですが、それはWebの世界も同じ。
Googleからの信頼を獲得するには、一定の時間が必要です。
新型コロナウイルス感染拡大で飲食店は大打撃を受けました。
居酒屋業態はコロナ前の売上の6~7割という店舗が普通です。
その穴を埋めるためにECを運用するケースがありますが、ECですべてを補填するという考え方は無理があります。
主な小売店のEC比率は以下のようになっています。
世界第3位のユニクロほどの規模でも、EC比率は16%程度しかありません。
それでも小売業界の中では比率が高いと言われているのです。
ECは極めて難易度の高い事業と言えます。
TwitterやInstagram、LINE、ホームページの記事投稿など、ECのWebマーケティングは手軽にできるように感じます。
しかし、実際はやることが多く、業務負荷が高いことで知られています。
Instagram一つとっても、目を引く写真を撮るためにはセッティングや光の入り方を計算しながら、時間をかけなければなりません。
技術と工数を要する作業です。
これらを軽んじると商品が魅力的に見えず、ブランドの構築ができません。
業務負荷が高いことを見込み、チームを組んだり外注を計画に盛り込むなど、対策を構築しましょう。
変化が早く、プラットフォームも目まぐるしく変わるのもECマーケティングの難しさです。
Instagramはかつて若者のツールと呼ばれていましたが、今は20~30代の女性が中心となりました。
若年層が使っているのはTikTokです。
変化を受け入れ、ターゲットを中心としたマーケティング施策を構築してください。
ECサイトのマーケティングは、新規客を獲得することに注力しがちです。
しかし、新規客は費用対効果が低いうえ、変化が激しく難易度が高いことで知られています。
成功するポイントはリピーターをどれだけ増やせるかです。
運用開始から一定期間が経過したら、リピーター集客に力を入れてください。
集客ツールとして有効なのが、LINE公式アカウントです。
LINEでは、ECサイトを構築できます。
『Lea = レア』は、誰でも簡単にECサイトを構築できることをコンセプトにしたサービスです。
立ち上げから運用まで、担当者の手を煩わせることがほとんどありません。
ユーザー重視の設計にもなっており、LINEでシームレスに購入から決済、アフターフォローまで行えます。
利便性の高さから、離脱やキャンセルを防止することができます。
リピート購入にも期待でき、販売チャネルの拡大に最適なツールです。
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