ECサイトは構築や運用体制に注力しがちですが、最も力を入れるべきなのは集客対策です。
サイトへのアクセスを集めるのは難易度が高く、知識が求められる領域です。
成功させるためには、事前に戦略を構築して正しい手順で対策を進めなければなりません。
戦略の構築や集客手法の開拓を外部の事業者に外注するケースが少なくありませんが、基礎知識が欠けた状態では、集客対策が上手くいっているのか判断ができません。
その状態で目標を達成することは難しいでしょう。
この記事では、集客対策の戦略の立て方や基本的な手法の解説を行います。
目次
ECサイトの集客対策は、以下3つのポイントを押さえるようにしてください。
目標とKPIの設定で戦略が固まります。ターゲットを設定することで、細かな施策が決まります。
抽出した数字をもとに振り返りを行うことでPDCAを実施でき、成果へと繋がるのです。
目標とKPIは事業目標をもとに作り込みます。
例えば、ECサイトで月100万円の売上を目標に設定したとします。
商品Aは単価1,200円、Bは3,000円、Cは800円だとします。
品物別の構成比率を予想し、それぞれの商品の個数を設定します。
販売個数を出すことにより、どの商品をどれだけ売るのかを具体的にイメージすることができます。
単価 | 構成比率 | 部門別売上高 | 販売個数 | |
A | 1,200 | 60% | 600,000 | 500 |
B | 3,000 | 10% | 100,000 | 33 |
C | 800 | 30% | 300,000 | 375 |
この数字はKPIに設定して毎月追いかけても構いません。
ただし、運用開始直後はブレが大きいはずなので、大まかに把握するだけでも十分です。
ECの運用が安定したら、この表を意識して計画を立てるようにしてください。
次に集客のKPIを設定します。
この商材はまとめ買いをするケースがほとんどなく、1人当たり1個で買い物を終える商品だったとします。
例えば、茶葉やコーヒー豆、洗剤、シャンプーのように長期に渡って使用するものです。
その場合、目標を達成するためには、合計で908人に購入してもらわなければなりません。
ECサイトの購買率(全ユーザーが購買に至る率)が4%だったとします。
1ヶ月当たりに必要なユーザー数=908÷4%=22,708ユーザー
100万円の目標を達成するためには、1ヶ月に22,708ユーザーを集めなければなりません。
ECを立ち上げた直後にこのユーザー数を達成するのはほぼ不可能です。
従って、中期的に達成するKPIを設定します。6カ月で達成するイメージで作ったものが下の表です。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
2,271 | 3,406 | 4,542 | 11,354 | 15,896 | 22,708 |
これが運用開始から経過月を加味したKPIです。購買率は4%で設定しています。
購買率は商材や業種によって異なります。扱うものに合わせてください。
このユーザー数をどうやって集めるのかで戦略が決まります。
SEO、広告、SNSの運用を組み合わせるのが一般的です。
集客施策への投資と、リターンが計算できるため、KPIを構築することで戦略を練りやすくなるでしょう。
ターゲットを決める目的は3つあります。
20代と50代の女性だと、集客に使うプラットフォームが異なります。
20代女性であれば、InstagramやTikTokが有効でしょう。
50代女性だとFacebookやLINE、ディスプレイ広告が効きやすいかもしれません。
ターゲットを絞り込むと、集客に使う情報の質も均質化できます。
集客には広告やSEO目的のブログ記事、SNSなど様々なコンテンツを使いますが、内容がバラバラだとちぐはぐな印象を与えてしまい、ブランドが構築できません。
チーム同士のコミュニケーションが円滑に進むのもメリットです。
ターゲットをベースとして話を進めることができるためです。
これが、「私の考えでは~」「一般的に~」などというコミュニケーションになってしまうと、プロジェクトが前に進みません。
KPIに達しているかどうかを、必ず振り返ってください。
数字が達成していないのであれば、次にどのような手を打てばいいのか、チーム同士で話し合います。
振り返りのミーティングは、「毎月第1水曜日」などと強制的に決めてしまうとよいでしょう。
成果を出すポイントは、実績がKPIを通過しているかどうかを確認し、次のアクションを必ず決めることです。
このようなミーティングは、次のアクションを決めずに終わってしまうパターンが少なくありません。評論家ではなく、アクションする主体者としてプロジェクトを進めるのが重要です。
次に具体的な集客手法を解説します。ECサイトの集客で王道パターンが以下の3つです。
特定のキーワードで上位表示を狙います。
SEOというと、狙ったキーワードでECサイトのトップページが上位表示されると勘違いしがちです。
例えば、茶葉を販売するECサイトが、「茶葉 販売」と検索すると対象のECサイトのトップページが上位に表示されることを期待するものです。
これが実現すれば、集客上有利になりますが、極めて難易度が高いでしょう。
楽天や伊藤園、LUPICIAなどの強力なサイトが上位にひしめいているからです。
まずはミドル、スモールワードでSEO対策を進めます。
「日本茶 おいしい淹れ方」「煎茶 番茶 違い」「茶器 選び方」などです。
このようなキーワードでの流入が増えると、サイトの信頼度が上がってビッグワードでの上位表示がしやすくなります。
広告の出稿は最も手軽にユーザー数や流入数を増やす方法です。
大きく2つに分けることができます。
GoogleやYouTubeなどのWeb検索プラットフォームに出稿するものと、TwitterやInstagram、LINEなどのSNSに出稿するものです。
Web検索プラットフォームはクリック課金がほとんどですが、SNS広告はフォローを増やすものやインプレッションで課金するものなど、プラットフォームに合った様々なものがあります。
ここでは広告ではなく、公式アカウントの運用を指します。
SNSは集客装置として外せないものとなりました。
SNSは積極的に情報を発信でき、顧客に直接アプローチすることができます。
フォロワー数が増えると、極めて強い影響力を持つことができます。
しかし、商品の売り込み文句が多いとフォロワーが離反する要因となり、運用は簡単ではありません。
消費者の心理を理解する必要があります。
ECサイトのマーケティングを強化したい場合、ぜひご相談ください。
更に、手法を細かく見てみましょう。上で説明した王道3パターンを分解したものです。
現在、SEO対策で最も主流となっています。
楽天やAmazonなどモール型のECサイトでは難しいですが、BASEのようなツールでECを構築すると、オリジナル記事を投稿できます。
特定のキーワードに最適化した記事を使い、狙ったキーワードで上位表示することを、コンテンツSEOと呼びます。
「日本茶 おいしい淹れ方」
「煎茶 番茶 違い」
「茶器 選び方」
このようなキーワードに沿った記事を作成し、投稿します。
記事の質が高く、投稿頻度を高めた方が効果が高いですが、時間がかかる作業のため、バランスを見極めてください。
立ち上げたばかりのサイトの場合、上位表示ができるまでに半年ほどの時間を要します。
中期的な施策だと考えてください。
短期間で成果を出そうとすれば、広告を活用してください。
どのような広告を出すのかは、KPI(費用対効果)とターゲットで決めます。
狙ったキーワードで広告を出すことができます。
立ち上げたばかりのサイトでも、「茶葉 販売」といったキーワードで上位表示ができます。
ただし、広告という枠内での表示になります。
広告を出す場合は、3つのKPIが重要になります。
表示回数は検索されている回数に近いものだと考えてください。
この数字が低いキーワードは、そもそも検索がされていない可能性があります。
クリック数が増減する要因は大きく3つあります。
1つ目は表示回数。
2つ目はクリック率。
3つ目は広告予算。
表示する広告の内容によってクリック率は変化します。
ここがリスティング広告運用の一番のポイントです。
リスティング広告は1日当たりの予算を決めることができます。
予算上限に達すると、自動的に広告の出稿を止めます。
そのため、クリック単価をできるだけ低くする必要があります。
クリック単価の影響が最も大きいのが、キーワードです。
リスティング広告は入札制になっており、人気の高いキーワードは高額になります。
従って、購買に繋がりやすく、クリック単価が低いキーワードを見つけ出すことが重要です。
ディスプレイ広告はWebメディアなどに表示される広告です。
Googleの場合、提携しているメディアに表示します。
リスティング広告は検索連動型のため、「茶葉 販売」など購買意欲の高いユーザーを誘引できます。
そのため、クリック単価は高い傾向があります。
その一方で、ディスプレイ広告はテレビ広告のように不特定多数の人に流します。
そのため、クリック単価は低い傾向があります。
ディスプレイ広告は刷り込み型のため、効果が出るまでに一定の時間がかかるのが普通です。
SNS広告は、各プラットフォームのタイムライン上に広告を表示します。
属性を絞り込みやすいのが最大の特徴でしょう。
おおむね、以下のような特徴があります。
茶葉を販売するECサイトで、認知拡大に加えてブランド構築も行いたいのであれば、Instagramへの出稿が有効かもしれません。
年齢層の高い世代にリーチしたい場合、LINEへの出稿が有効なこともあります。
ECサイトの集客において、SNSの運用は欠かせません。
ただし、想像以上に工数がかかることや、期待通りの成果が出ないことを事前に織り込んでください。
大手企業のSNSアカウントでも、圧倒的な成果を出しているものは稀です。
シャープのTwitterアカウントは80万以上ものフォロワーを抱えていることで有名ですが、直接的に購買に繋がっているかといえば、そのようには見えません。
消費者から意見を吸い上げることや、顧客対応、会社のイメージ向上に役立てている印象を受けます。
運用を行う際は、明確な目的を立てて実行しましょう。
SNSの中でも、毛色の異なるのがLINE公式アカウントです。
顧客と一対一でコミュニケーションを図ったり、クーポンの配信が可能です。
リピーター創出に繋げることができ、有効性の高いツールです。
『Lea=レア』というサービスを使うと、LINE公式アカウント内にECサイトを構築することができます。
LINE上で発注から決済までをシームレスに行うことができます。
集客から注文までを一つのプラットフォームで行えるメリットは大きいでしょう。
InstagramやTwitterで多数のフォロワーを抱える人に、商品の宣伝をしてもらう方法です。
影響力の多い人ほど、単価が高くなる傾向にあります。
最近はインフルエンサーと企業をマッチングするプラットフォームが多数あります。
PRであることを明記することが普通になっており、ステルス方式で宣伝しないよう注意が必要です。
新規集客に成功して、ある程度ECサイトの運用が安定したら、リピーター対策に注力してください。
ポイントは来店頻度をどれだけ高められるかです。
データが集まると、リピーターが再び購入するまでの期間を割り出すことができます。平均が半年に1回であれば、その期間をできるだけ短くします。有効な施策がクーポンの配信です。
LINE公式アカウントへの登録を促し、定期的にクーポンを配信します。特定のユーザーにクーポンを配信することが可能です。工夫次第で購買頻度を高めることはできます。
<h2LINE公式アカウントにECサイトを構築して効率的な運用を</h2>
LINE公式アカウントを運用するのであれば、LINE上にECサイトを構築することを検討してください。LINE上に構築することにより、クーポンの配信などといったマーケティング活動から購入、決済までを一貫して対策に紐づけることができます。
LINEにECサイトを構築するサービスが『Lea=レア』です。
Leaはマーケティングに精通した精鋭が開発したもので、消費者の行動を分析してストレスのない購入体験を実現したツールです。
ECサイトの集客は目標を設定し、それに関連するKPIを構築することが第一歩です。難しいように見えますが、この記事で紹介した通り、基本的なポイントを抑えれば誰でも簡単に行えます。
新規集客ができるようになったら、リピーター対策に力を入れることが成功の近道です。
『Lea = レア』は、誰でも簡単にECサイトを構築できることをコンセプトにしたサービスです。立ち上げから運用まで、担当者の手を煩わせることがほとんどありません。
ユーザー重視の設計にもなっており、LINEでシームレスに購入から決済、アフターフォローまで行えます。利便性の高さから、離脱やキャンセルを防止することができます。
リピート購入にも期待でき、販売チャネルの拡大に最適なツールです。
『Lea = レア』の詳細は以下からご確認ください。