2022.04.22

マーケティングオートメーションの機能を徹底解説!導入する前に行うべき準備もご紹介

「自社でマーケティングオートメーションを導入しようと考えているけど、実際どんな機能があるの?」

「マーケティングオートメーションを導入するときって何を準備すればいいの?」

このように悩んでいる担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。とくに初めて導入を検討する場合、懸念点が多くなりがちですよね。

今回の記事では、マーケティングオートメーションの主な機能を中心に解説します。

導入に成功した企業の事例や、導入前の準備などの情報についても多く記載しています。

これからマーケティングオートメーションを導入する予定がある企業は、ぜひご参考にしてください。

1.マーケティングオートメーションとは

マーケティングオートメーションは、営業、マーケティング活動を管理し、サポートを行ってくれるITシステムを指します。

また、見込客が商品・サービスを購入にいたるまでの動きや経路も確認できるので、自社の施策に活用しやすいのが強みです。

営業担当者、マーケティング担当者の業務効率化にもつながるため、自社にあったツールを導入して活用するのがおすすめです。

2.マーケティングオートメーションを導入すべき理由とは?

マーケティングオートメーションを導入する理由として、主に下記の3つが挙げられます。

  1. 顧客接点の拡大によるアプローチの変化
  2. 顧客が求める情報・体験の変化
  3. ログデータの取得・分析技術の向上

これらの理由を十分に把握しておくと、マーケティングオートメーションに対する理解が深まるでしょう。

1. 顧客接点の拡大によるアプローチの変化

以前ではBtoCではテレビや新聞などのアナログ媒体、BtoBでは飛び込み営業やテレアポなどが一般的なアプローチ方法でした。

一方で近年ではスマートフォンの普及、SNSの発達によりアプローチ方法が増えています。

デジタル媒体の普及により情報は氾濫しやすくなり、消費者は興味関心のない情報を見ないようになりました。

そのため、潜在顧客、見込み顧客にアプローチする際に

  • 質の高いコンテンツ
  • 適切なターゲティング
  • 適切なチャネル選択

を強く意識する必要性が高まっています。

これら3つの意識が足りていないと興味を持ってもらえず、素通りされてしまうでしょう。

2. 顧客が求める情報・体験の変化

現在ではWebサイト、ブログ、SNS、YouTubeなど消費者はさまざまなチャネルで商品やサービスを調べられます。

また、調べるだけではなく実際にユーザーが利用している様子や、口コミについても確認しやすくなっているのがポイントです。

BtoBにおいても購買側がインターネット上でさまざまな情報を収集するようになり、以前よりも情報収集能力が上がっています。

飛び込み営業やテレアポなどのアナログ的な営業手法だけではなく

  • メールマーケティング
  • Web、SNS広告
  • LINE公式アカウントでの情報配信

などの方法も組み合わせると効率よくアプローチができます。

そのため、情報配信や顧客ごとのアプローチを可能にするマーケティングオートメーションが、多くの企業で導入されるようになりました。

ログデータの取得・分析技術の向上

マーケティングオートメーションを導入すると、サイトに訪問したユーザーの企業名や個人名、資本金や従業員などの細かい情報が取得できる場合があります。

さらに見込み顧客がどのような行動を行ったのか、下記のデータで可視化することが可能です。

  • 閲覧ページ
  • 閲覧順
  • 滞在時間
  • ページ読了率
  • 流入元情報
  • 訪問回数

データを取得したあとは、データをグラフや分析レポートとして可視化できるのでチームで施策を考える際にも便利です。

3.マーケティングオートメーションの機能

マーケティングオートメーションには様々な機能がありますが、とくに代表的なのが下記の機能になります。

  1. 見込み顧客を獲得するための機能
  2. 見込み顧客を管理するための機能
  3. 顧客を育成する機能
  4. 分析機能
  5. 連動機能

このほかの細かい機能についてもあわせて解説しているので、1つずつ確認していきましょう。

1. 見込み顧客を獲得するための機能

マーケティングオートメーションでは見込み顧客を獲得するための各種機能が備わっています。

ランディングページ作成、フォーム作成、メール作成・配信など見込み顧客にアプローチする際に必要な機能があるので便利です。

1-1. ランディングページ作成

ランディングページ(LP)は、SNSや広告から集まる見込み顧客が、流入して最初に閲覧するページを指します。

ランディングページの出来によって、購買するかどうか決まる重要なポイントになるので十分に作りこむことが大切です。

そこで、マーケティングオートメーションを利用することで、複雑なカスタマイズもすぐに行えるうえにオリジナルのページの作成も可能です。

テンプレートがそろっているため、初めて本格的にランディングページを作る場合でも安心できます。

CSSやHTMLでのカスタマイズに対応している場合も多いので、集客に有効なページが制作できるでしょう。

1-2. フォーム作成

問い合わせや登録フォームも、マーケティングオートメーションを利用することで簡単に作成できます。

顧客と自社が接点をもつ大事なポイントなので、最適化が必要な部分と言えるでしょう。

できるだけシンプルなフォームを作成すると、コンバージョンに繋がりやすいです。

フォーム作成においてもテンプレートやガイドがあるので、初めて作成する場合でも問題ありません。

1-3. メール作成・配信機能

ほとんどのオーケティングオートメーションツールにはメール配信機能があります。

メールの内容も作成してくれる機能もあるので、業務効率を高めることが可能です。

見込み顧客に合わせたメールをすぐに作成できるため、メールマーケティングにかかる時間の短縮につながります。

また、シナリオ作成機能やセグメントメール送信機能もあることから、適切なタイミングで適切な内容を届けられるでしょう。

メールマーケティングに注力したいという企業に、特に役立つ機能になっています。

2. 見込み顧客を管理するための機能

マーケティングオートメーションでは、見込み顧客を獲得するために下記の情報を取得できます。

  • HPの訪問履歴・資料請求データ
  • セミナーで得た名刺データ
  • 展示会で得た名刺データ
  • イベント参加情報
  • 流入経路
  • アンケート結果
  • 過去の購買履歴

見込み顧客の情報をこのように幅広く取得できることから、顧客ごとに適切なアプローチを行いやすくなります。

また、ターゲティングに必要なデータとして蓄積されているので、他の施策を行う際にも役立つでしょう。

2-1. スコアリング

スコアリングは見込み顧客に点数をつけ、優先順位を付ける機能を指します。

点数が高ければその分、購買につながる確率が高い顧客という判断を下すことが可能です。

スコアリング機能を活用することで、優先して対応すべき見込み顧客が判明するので、営業担当者が効率よく活動できます。

ただ、あくまでも設定基準を満たしている指標であり、仮説になるため、対象を絞り込む機能として活用しましょう。

3. 顧客を育成する機能

マーケティングオートメーションには見込み顧客へのアプローチや管理だけではなく、育成する機能もあります。

顧客の段階ごとに適したメールを送れるセグメントメール送信機能、設定したシナリオ通りにメールが送れるシナリオ作成機能を活用できます。

3-1. セグメントメール送信機能

セグメントメール送信機能では、一定の条件ごとに分類された見込み顧客ごとに、用意した内容のメールを送信することが可能です。

見込み顧客ごとに適切なタイミングで、適切な内容のメールが送れることから購買につなげやすくなるのがメリットになります。

具体的にはユーザーごとの段階によって下記のように対応することが可能です。

  • 自社のランディングページを閲覧した見込み客にはコンテンツAを配信
  • コンテンツAを閲覧した見込み客に、特典Bを配信
  • 特典Bを使用した見込み顧客には、次に特典Cを配信

自社に興味を持ったユーザーに適切な行動を行えるため、自社イメージの向上にもつながりやすいのがメリットと言えるでしょう。

3-2. シナリオ作成機能

シナリオ作成機能では見込み顧客に対して、事前に自社で設定したシナリオどおりにメール配信ができます。

ペルソナに合わせたシナリオ構築を行いメール送信できるので、見込み客の商品やサービスへの興味関心を高めやすいのがメリットです。

具体的には以下のようにシナリオを組んでメール配信ができます。

  1. 1日目に状況確認メール
  2. 4日目に無料体験のお知らせメール
  3. 10日目に特別割引キャンペーンメール

さまざまなパターンを試し、勝ちパターンを見極められると効果的です。

4. 分析機能

マーケティングオートメーションには、Webサイトでの見込み客の動向を確かめるWeb行動解析、施策に対する結果をまとめてくれるレポーティング機能があります。

これらの分析機能があるため、自社にデータを蓄積してよりレベルの高い施策を実施することが可能です。

4-1. Web行動解析

自社のホームページ、各コンテンツ上で見込み客の行動を解析できるのがWeb行動解析です。

  • Webサイトのどのページを見ているか
  • 滞在時間はどのくらいか
  • 流入経路はどこなのか
  • どの商品をクリックしたのか

こういった情報を確認できるので、見込み顧客がどの部分に興味を持ったのかがわかりやすくなります。

問い合わせにつながる傾向も見えやすくなるため、ホームページやコンテンツの改善のヒントになるでしょう。

4-2. レポーティング機能

マーケティングオートメーションでは、マーケティング施策の結果をまとめて提示してくれるレポーティング機能があります。

具体的には下記の情報を確認することが可能です。

  • 退会率
  • 配信成功率
  • メールの開封率
  • クリック率
  • コンバージョン率

これらのデータが確認できるため、次の施策を行う際のヒントを得やすくなります。

どの部分を優先して改善すればいいのか明確にできるので、業務効率の改善も期待できるでしょう。

5. 連動機能

マーケティングオートメーションは見込み顧客へのアプローチや情報管理だけではなく、連動機能もあります。

広告やすでに自社で利用しているツールとも連携が取れるので、快適に利用することが可能です。

5-1. 広告連動機能

企業では潜在顧客や見込み顧客にアプローチするためにWeb、SNS広告を配信することが多いでしょう。

マーケティングオートメーションでは、運用している広告の一括管理が可能です。

広告のクリック率、利用しているデバイス、エンゲージメント率の調査ができ、広告媒体ごとや過去との比較もしやすくなります。

多くの広告を活用しているという企業に、とくに役立つ機能と言えるでしょう。

5-2. SFA・CRM連携機能

マーケティングオートメーションでは、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理)との連動ができる場合が多いです。

案件状況、顧客状況などの情報を連携できるので、営業担当者やマーケティング担当者に有益な情報を共有できます。

ただ、SFA・CRM連携機能がないマーケティングオートメーションもあるので、導入する場合は必ず確認したうえで検討しましょう。

4.マーケティングオートメーションを活用した企業の成功事例

マーケティングオートメーションを活用した企業の成功事例として、下記の4つをご紹介します。

  1. LINE Pay株式会社
  2. ベネッセコーポレーション
  3. ミイダス株式会社
  4. 株式会社エイトレッド

ここからはそれぞれの企業における独自の成功ポイントや、具体的な成果について解説します。

1. LINE Pay株式会社

モバイル決済システムをサービスとして提供しているLINE Pay株式会社では、マーケティングオートメーションの導入で加盟申込数約40%増を達成しました。

LINE Payの認知度アップと加盟店舗へのスムーズなサポートを行うために、マーケティングオートメーションの導入を行いました。

メール、電話を連携させたマーケティング施策を行い、SFAツールであるSalesforceを連携させることで、加盟店への細やかなフォロー体制を築いて成果を出しました。

2. ベネッセコーポレーション

教育、生活、介護、語学などの幅広いサービスを展開するベネッセコーポレーション。マーケティングオートメーションの導入で、顧客解析のコストと作業負担の軽減を実現しています。

ベネッセコーポレーションは大企業かつ、扱っている事業も多いので、その分多くのデータを処理する必要がありました。

そこで、マーケティングオートメーションを導入して、膨大な顧客データの一元化に成功しスタッフの作業負担を減らすことに成功しました。

3. ミイダス株式会社

転職支援サービスを行うミイダス株式会社では、マーケティングオートメーションの導入で、営業1人あたりの顧客コンタクトが5倍にアップしました。

マーケティングオートメーションを活用し、「新規顧客が問い合わせ」や「ユーザーが検索条件を保存」といったアクションが起きた場合、通知するように設定していました。

その後、チームで5分以内にアプローチを行うことで、営業1人あたりがコンタクトできる顧客数を従来の5倍にアップしています。

また、営業活動サイクルの短縮にも成功しており、商談プロセスが5週間から2週間以内になり、さらなる業務スピードを実現しました。

4. 株式会社エイトレッド

株式会社エイトレッドは、業務の電子化・自動化を促進するサービスを提供する企業です。

マーケティングオートメーションの導入により月間リード数6倍、月間商談化3.4倍という高い成果を出しています。

株式会社エイトレッドでは自社サイトのPVは上がっているが問い合わせが伸びない、営業部門とマーケティング部門の連携度が低いという問題がありました。

そこで、解決策としてマーケティングオートメーションを導入し、自社の課題を解決しています。

マーケティング、インサイドセールス、営業の3部署が連携を強め、PDCAサイクルを意識して高い成果を出すことに成功しました。

5.マーケティングオートメーションを導入する前に行うべき準備

マーケティングオートメーションを導入する前に、下記の5つの準備を行いましょう。 

  1. 目的の明確化
  2. 課題の洗い出し
  3. セグメントの設定
  4. 運用体制の準備
  5. コンテンツの最適化

マーケティングオートメーションを導入して、成果を出すためにどれも欠かせない準備になります。

1. 目的の明確化

マーケティングオートメーションの導入する場合「とりあえず業務効率が高まりそう」「周りの企業がやっているから」という考えを持っていると危険です。

自社の目的や課題にあったツールを導入しないと高い成果を得たり、業務効率化に結びつけたりすることはできません。

そのため、なぜマーケティングオートメーションを導入したいのか目的を明確化しましょう。

業務効率化がしたいのか、営業やマーケティングの効率を高めたいのか目的をしっかりさせておきましょう。

2. 課題の洗い出し

目的を明確化した後は、自社の営業状況やマーケティングにおける成果を確認し、どの部分を解決するのか洗い出していく必要があります。

おすすめな方法としてはまず、営業社員やマーケティングの担当者に状況や悩みをヒアリングすることがおすすめです。

現場のリアルな意見が聞けるので、課題を洗い出す際に役立つ情報を引き出せます。また、営業やマーケティング活動におけるデータも課題を洗い出す際に便利です。

成績の振るわない部分などがあれば、ピックアップして課題として捉えましょう。

目的や課題の部分を明確にすることで、自社にあったマーケティングツールを選びやすくなるので、必ず見極めておくことが大切です。

3. セグメントの設定

顧客を属性や行動履歴などのデータに沿って、グループに分けることをセグメンテーションと言います。

マーケティングオートメーションではセグメントごとに適切なアプローチができるので、どのようなセグメントに分割するのかは導入前に決めましょう。

セグメントを分割する際は、自社の顧客データを参考にするのがおすすめです。

  • 企業規模
  • 従業員数
  • 売上
  • 業種
  • 購入経路
  • 購入頻度

などのデータを確認して、セグメントを分割しておくとマーケティングオートメーションを導入した後にスムーズにアプローチできます。

4. 運用体制の準備

マーケティングオートメーションをスムーズに導入する際に大切なのが、運用体制の確率です。誰が、どのように、どんな役割で運用を行うのか事前に明確にしておくといいでしょう。

運用体制を整えないままマーケティングオートメーションを導入してしまうと、導入したツールを活用しきれない場合もあります。

また、営業部とマーケティング部で連携して活用することも多いので、関連する部署との連携も考えておくのが大切です。

誰がどのように調整役を行うのかという取り決めも行っておくと、さらにスムーズに導入できます。

マーケティングオートメーションを導入してすぐ動けるように、運用体制は必ず固めておきましょう。

5. コンテンツの最適化

マーケティングオートメーションを導入した後、メールマーケティング、広告配信などでマーケティング活動を行うことになります。

そこで、コンバージョンに結びつけるためにもコンテンツの最適化を実施しましょう。

いくら集客がうまくいったとしても、着地するWebサイトやランディングページのクオリティが低いとユーザーが離脱しやすいです。

うまく誘導できたにもかかわらず、離脱率が高いのはもったいないので、Webサイトやランディングページは複数人でチェックしましょう。

「見やすく使いやすいコンテンツになっているか」「フォームの入力はシンプルな形になっているか」

ユーザー目線で考えて、ストレスのないコンテンツに仕上げましょう。

6.オートメーションツールの機能を見極めて、導入を検討しましょう!

マーケティングオートメーションは見込み顧客を管理、アプローチするためだけのツールではありません。育成機能、データ分析、他のツールとの連携などさまざまな機能が備わっています。

ただ、導入する場合は自社の目的や課題、運用体制を確立しないと高い成果に結びつきません。目的を明確化する前に導入してしまうと、失敗してしまう場合も多いので、今回の記事をご参考に慎重に導入を図りましょう。

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